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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

シェリル・ナイト 11  漂流編!?

シェリル・ナイト・シリーズ 目次

このシリーズ。
まえまえから、アルト&シェリルで、スパイアクションみたいなの書きたいな―って考えていたのを、「具体化しよっ!」って感じで書き始めました。
サヨナラ補完のマリ&グレイスのスタイルで、シェリルがメチャクチャ活躍する話vvv

で、アラスジくらいで書き始めたのですが(まあ、プロットってそういうものだよね?)、今回までで「起承転結」の、「起承」までです。
ここから「結」はあるのですが、「転」を・・・・どうしよ?
そううわけでまたしばらく考えます。

ぐだぐだと前置きすみません。
今回はギャグ?回です。
ゆるっと、よろしければ~。





茫然としていたわけではない。
だが昇る光点を見つめていた・・・。 

そんなシェリルに、しばらくたってからキットが言う。
「"このVFは、今はスレーブモードです。"」
無人のメサイアの腕が、しっかりとランチアHFインテグラーレを抱えている
眼下の惑星はすでに丸みを帯びている。 すでに相当な高度に達しているはずだ。

「"大気圏離脱します。"」
こともなげに、車載AIが告げる。

大気圏離脱・・・。
えっ?
「ちょ!あたし宇宙服なんてない!」
「"あっ。"」
「あっ、じゃないわ!降ろして!」
「"いえ。無理です。"」
VFのタービン音が変る。大気圏から真空の宇宙へ向かい、駆動方法を切り替えたのだ。

・・・。 

「いや~! 死んじゃうからーー!」




高々度の星々は瞬かない。
すでに深遠をのぞくここは宇宙だ。
青い空はすでに足元の惑星に残り、漆黒の深い宇宙が広がる。

「さっ、寒い・・・」
すでにハンドルは握っていない。
タイヤが地面に着いてないのだから意味なんてないのだ。
シートで膝をまるめて小さくなる。
シェリルのはく息が、すでに白い。
「"ヒーターを最大にしています。密閉はピンポイントバリアーを展開中です。"」
「酸素は?」

「"あっ・・・"」

・・・。
「このっ!バカ車ー! わざとでしょ! もういや!ほんとに死んじゃうんだから!」
シェリルの叫びを伝える大気は、すでにはるか下方の惑星に去っていた。





「地に足がつっかない~♪」
適当な音階で、適当な歌詞の歌。
「(そりゃあそうだ、地面なんかないんだから・・・)」
同僚の下手な歌を聴きながら、男は操縦室で定例の計器チエックをこなす。
「もってーけ~・・・・」

高高度作業プラットホームでの勤務。
スカイフック公社の給与は悪くないが、まともな人間が選ぶ仕事でもない。
ましてオリンピアみたいな大都会の、傍らの、テラ・フォーミング途上の惑星。
・・・の、さらに軌道上だ。

ビービーッ・・・、警告音?
珍しい。

男は、レーダーが拾った接近する機体のチャートを確かめる。
「(こんな成層圏のはずれに、民間機?)」
機体識別シグナルはだが、非軍用で、VFのものだった。
「VF25? 民間機でバリアブル・ファイター?」


「『・・こちらSMS所属クイーンズ・ナイツ1126です。 着艦要請よ、プラットホームを開放なさい。』」
いきなり歯切れのいい女の声が響く。

「は? ちょっと。そんな連絡も指示も受けて無いんだけど。」
男が応じる。
かたわらの同僚も、何事かとモニターをのぞきに来る。
「『緊急事態なの! 酸素残存料が危機的。これは救助要請よ。』」
VFからの声が響く。

「女?」
「ああ・・・。」



高々度作業スカイフック船(あるいは、永久飛行艇と呼ばれる)。
静止衛星軌道から吊り荷を引き揚げるための、惑星側の対応基地だ。
固定されてない軌道エレベーターの、惑星側設備といえばわかりやすい。
その使命から、機体は降下することもなく大気圏最上層部を永遠に飛び続ける飛行艇だった。
だが、実態は準衛星軌道の何でも屋だ。

しょうがない。
「『了解、緊急時対応とします。主プラットホームへのアプローチを許可する。』」

女なんて久しぶりだ。
「ったく、こんなとこに漂流者かよ? どんな女だか見てやろうぜ?」
あきれ顔で同僚と顔を見合わせた。
「ああ。」


で、どんな女だったかと言うと、それは、シェリル・ノームだったのだ。


「え?」
飛行艇乗員の誰もが口を開けた。
貨物シャトル用のエアロックをくぐり、そのガウォークは低重力フロアに静かに着地する。
それから、マニュピュレーターに抱えた車、クラシカルな、ツーボックスのラリーカーを、そっと降ろす。
冷えきったであろう車体が、凍った金属音を立てていた。

プラットホームの男達は、VFのコックピットからパイロットが降りて来るのを待つ。

「カチャ」
だが、クラシカルな器械音とともにドアパネルを開けて、女が脚を降ろしたのは、抱えられていたラリーカーからだった。
「!?」
「!!」

しぇ! シェリル・ノーム?

「ごきげんよう、皆さん。お仕事中に申し訳ないわ。」
周囲をひと通り見渡してから、世紀の大スターがにっこりと微笑んだ。



高いヒールなどではない、どちらかといえば武骨なワークブーツ。
だが短いショートパンツから伸びる脚がまぶしい。
立ち上がったその姿はスラリとしたシルエットを描く。
ゆったりとしたアウターに包まれたバストに落ちる、ほのかに萌えるピンクのブロンド。

その存在に、ただただ唖然とする。
シェリル?
シェリル・ノーム?
銀河の妖精が一人でこんな処に?
なっ・・・なんだ、何かのドッキリか?

シェリルはもう一度笑ってみせた。
にっこりと。
「キャプテンにご挨拶したいんですけど?」
「えっ?ああっ、今よんで来ます。」
その返答にうなずくと、彼女が踵を返し、行動をおこす。

「キット!ラダーを降ろして。」
シェリルの指示で、VFのコックピットが自動で開く。
機体からステップが細いラダーとなって下に伸びる。
慣れた足取りでそれを登ると、後席のもの入れから薄いボックスケースに納まった予備のパイロットスーツを引出す。
やはり備え付けてあったヘルメットを前席に置き直す。
前席のログを確認して、いくつかのスイッチを操作する。

再びステップを降りながら、シェリルが言った。
「シャワー室を借りられるかしら?」
よろしくて?
少し高い場所から、フロアの男たちに投げ掛ける笑顔は、銀河を魅了するそれだった。

「は、はいい!」
だれかが慌てて返事をし、皆がうなずく。

「ありがとう。 あと、車のガス推進剤、VFの補給整備もお願い。 整備費はクレジットで大丈夫かな?」

何人かが再び激しくうなずく。

「ふふっ、お願い。」
ステップを降り切ったシェリルがVFを離れてから振り返った。
「キット! 待っててちょうだい。」

自動でキャノーピーを閉じたガウォークが、わずかなアキュムレーターの作動音と、ほとんどの予備動作もなく、バトロイドに変形起立する。
直立不動し、シェリルに敬礼をする。
「いい子ね。」

シェリルがつかつかと男達に歩み寄る。
「さあ、先にシャワー室に案内して。その後でキャプテンに会います。」

シェリルの背後で、バトロイドがファイターに再びおさまる、音もない変形。
機首のガンカメラが小さな駆動音で周囲をみまわした。
戦闘機の脇に鎮座する車は動かない。

「お行儀よくしているのよ。」
シェリルの言葉に、バリアブル・ファイターとランチアHFンテグラーレが、そろって、前脚のサスペンションを縮めてうなずいてみせる。

いってらっしゃいませ・・・そんな声が聞こえた?ような。



結局、シェリルは、シャワーと真新しいタオルと、温かい食事を提供してもらった。
求められた幾つかのサインと、請求書へのサインをしてから、パイロットスーツに着替え、VF25のコックピットに納まり、高高度作業船を後にした。


さあ。
オリンピア船団へ行かなきゃ。

「"さっぱり出来ましたか?"」
チューブを介してキットの声が届く。
今度は無人となったランチアを、シェリルの操るバルキリーが抱えている。

「キット、あなたの何が気に入らないか、いま分かったわ。 あなた、このあたしをシェリル・ノーム扱いしないのよ。だからむかつくんだわ。」
「"・・・? はい。”」

「・・・寝るわ。オリンピアに戻ったら起こして。」
クイーンズ・ナイツの自動操縦をセットしてから、シェリルは目を閉じた。





「っ・・・」アルトが目を覚ますと、そこはコンテナの様な閉鎖空間だった。
天井パネルが薄く発光している。
ヌーリィは?
大丈夫だ、アルトのそばでやはり横たわっていた。

「"やあ、大尉。お目覚めかな?"」
「!」
素早い反応をしたアルトにつられて、ヌーリィも目を覚ます。
アルトはまだ眠りから覚めきれぬ少女の肩を抱き、周囲の気配を伺った。




続く・・・
(ココマデ2014.09.27)
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