FC2ブログ

ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

シェリル・ナイト 5 (まだ続いてた!

シェリル・ナイト 1
シェリル・ナイト 2
シェリル・ナイト 3
シェリル・ナイト 4

この続きです。
だいぶ間をあけちゃったけど、たいしてお話すすんでません。
あと、実はこの事件の前にこんな事件が起きてます。
過去作ですが、pixivに前後編まとめてますので、よろしければ・・・。
ガイノス降下作戦

これで舞台はそろった!
・・・・って、ここから先が例によって止まったままです。
アクションバリバリでやりたいんだけどさ!!
次回、舞台をオリンピアに移すんだけど、その辺が書けない・・・ゆるゆるとお待ちください。
(まだ読んでくれる人がいるとうれしいなり。)



地上に朝日が訪れる。
テラ・フォーミング途上の惑星は、自然のそれに、人の無数の努力が加わっている。
改良が重ねられた大気を、陽が貫く。
その光条は、空宙港の採光施設を通じて、取り込まれ、曲がり、くねる・・・、シェルターを兼ねた迷路、地下空間にも到達する。
朝だ。


・・・チー・・・
センサーの小さい振動に体が素早く反応する。
徐々に明るさをます居室空間にも意識は配ってはいたが・・・。
動いたのはヌーリィだった。
少女は横たわっていた長椅子から起き上がっている。

「(・・・ーんっっ。)」
伸びをしてから、アルトを見つけて言う。
「おはよう!アルト。」

昨晩の、熱にうなされた苦しげな表情はすでにない。
アルトは腕に装備したセンサーのログに目を通す。
よし、周囲に異常はない。
「おはよう、ヌーリィ。気分は良くなった?」

黒髪の少女が応える。
「うん。」
明るく微笑んでから、言葉を続ける。
「でも…。 あのね、お腹空いた。」





「・・・ったく!」
アルトがいないと朝食を作るのもおぼつかない!

苦労して温めた玉子のトレーと、トースト、コーヒーを並べる。
いつものテーブルに座ってから、シェリルはペッパーミルがないことに気がつく。
「キット!コショウはどこ?」

「"ガレージにいる車にそんな事を聞きますかね?"」
リビングのインターホンから、あきれたような返事が返る。

「うっ、さいわね! 知らないなら黙ってなさいよ。」

ご丁寧に、ため息のような音が漏れて聞こえた。
「"・・・シェリル様。カウンターの左上にあります。前の朝食で、旦那様が新しい胡椒を詰めていらっしゃいました。"」
・・・はんっ、知っているならさっさと言いなさいな。

「"何か?"」
「いいえ。」
トーストをかじる。
シェリルもため息を漏らす。
イラついているんだわ、あたしったら…。
アルトがいれば、こんな乱暴なやり取りは注意されるわね。

まったく。
「ねえ、もう一度アルトと、その女の子の今回の顛末を聞かせて。」
口のなかに食べ物をいれてしゃべるのもNGね・・・。



「おいしい!」
ヌーリィが微笑む。
アルトも笑い返して応じる。
「緊急用レーションを温めただけだけどな。」
広げられたシートには、それでもスープに固形ブレッド、ドライフルーツとナッッが並ぶ。

「いつも誰かに作ってあげているの? 恋人?」
「まあな。」
「いるんだ?」
「そりゃあ・・・、一応な。」
「名前は? どんな人?」
少女はしきりにドライフルーツを口に運びながら聞く。
ここが地下の退避空間であることを忘れさせる明るいしぐさ。
アルトはもう少し付き合ってあげる事にした。

「名前はシェリル。 そうだな、どんなって言われると『可愛い』ってタイプかな。」
「シェリル・ノームと同じシェリル?」
「ああ、同じだよ。」
「シェリル!! 素敵な名前ね。 シェリルだからきっと、シェリル・ノームも大好きなんでしょ?」
「ああ、まあな。」
アルトも笑いながら返す。
「あたしも! ね、そしたらさ・・・」





「"誘拐された少女の名前は、ヌーリィ・イルミハ。 彼女は・・・"」
リビングのソファに座るシェリルに、車庫に納まったキットが、インターホンを通じて報告を始めた。
軍規格の士官用宿舎だ。 平屋のはしにキットの納まるビルトインのガレージがある。
壁面にモニターが浮かび上がると、幾つかの画像資料が展開した。

ヌーリィ・イルミハは(きちんと発音するとヌルゥーリらしい、東南アジア系の出自)、アルトが誘拐犯グループから救出した少女だった。
12歳。
オリンピア政府の事務次官職員の娘だった。


三日前。 休暇を利用して、オリンピアに戻る途中の早乙女アルトに、ガイノス衛星軌道での待機命令がくだる。
誘拐された少女の救出作戦。 
厳重に張り巡らされた警戒装置を避けるために、大気圏外からの降下突入。 
身代金目当ての誘拐犯にしては過剰な武装と警戒装置群。 これに対抗するための隠密の突入作戦。

追詰めた犯行グループの、場当たり的行動は、最初から違和感のあるモノだった。
アルトと、ガイノス海兵隊二名のチームは、犯人の二人を射殺。もう二名を逮捕した。
射殺された主犯格は、旧ギャラクシー製の義体者だった。

ここまでが事件の発端。
その後、アルトがヌーリィをオリンピアまで護送するとになった。




アルトは、嬉々としてシェリル・ノームの歌がいかに素晴らしいかを説く少女の話を聞く。
「そうか、すごいファンなんだね。」
「うん!」
にこやかに笑顔を返す。

もう誘拐事件から三日。
捜査協力や、事情聴取、報告、負傷した部下の見舞い。
時間が必要なのもやむを得ないし、シェリルにもちゃんと連絡はした。
「急な任務だったから・・・、「まだ話せないんだ・・・、」そんな説明だけでも、シェリルはちゃんと納得してくれる。

だけど、さすがに一昨日の連絡には、だいぶ不満をもらしていた。
『もう!スケジュール調整だってたいへんなんだからね!』って。
まあ、会えなくて寂しいのは俺も一緒だよ・・・シェリル。



「ねえ、聞いてる?」
生返事を返すアルトが不満なのか、ヌーリィが真剣な顔で問いかける。
「あっ? ああ、聞いてるよ。」

最初に会った時、ヌーリィは涙で潤んだ目でアルトを睨み返していた。
主犯格の男が乱暴に彼女を押さえ込み、その頭に銃を押し付けている。
理不尽な扱いが悔しくてしょうがない、そんな顔で少女の目がアルトをにらんでいた。

犯人が怒鳴る。「銃を置け!」「ヘルメットを取れ!」
や継ぎ早に命令する。
アルトの真っ黒の大気圏突入仕様EXギアは、ピクリとも動かない。
実際に大気圏突入を果たした後の装甲体は、凄味を保ち、業火にすすけた雰囲気をも放つ。

ゆっくりと、アルトが構えた突撃銃を下げる。
伸ばした手が、ゴトリっと床に銃を置く。
そして、ゆっくりとヘルメットを取った。

・・・その時、主寝室に朝日がさす。
ガイノスの夜明けだ。
犯人と少女の背後から、眩い光がアルトの左耳のイヤリングに届き、輝かす。

「おっ、女?」
それが誘拐犯の最後だった。

飛び込んできた弾丸に仕込まれた極小のスラスターと、ナノレベルの極小ウィングがほぼ直角の弾道変化をこなして、犯人を突き上げる。
遅れて到着したアルトの部下が放った「ハニービー」が、誘拐犯をい抜いたのだ。
自律弾道変更弾・・・、この時代の究極の狙撃だ。
目標に向かって、死角から、味方を避けながら狙撃することができる。

救出劇が終わった。
それから、アルトに抱かれて、堰を切ったようにヌーリィは泣き始めたのだ。






「それで?」
膝を抱えた姿勢でシェリルが聞く。
朝食を終えてソファに座りなおしている。
パジャマ代わりの大きめのシャツ一枚の姿だ。

「"今回、旦那様とヌーリィお嬢さまを再襲撃した集団は、フルスペックの光学迷彩装備だったのではないかと推測されています。画像では行動を把握出来ていません。"」
「・・・画像記録がないの?」
シェリルがテーブルに手を伸ばしてマグを取る、残りのコーヒーをすする。
美しく調った眉間にしわが寄る。

「"はい。侵入時の可視記録はあります。"」

黒い武装集団、3人だ。
フェンスを超えて侵入してくる画像が写る。
「"そして旦那様が襲われた場面の映像記録はありません。"」

「おかしいわ。」
「"そうですね。この侵入時の記録以外は、ことごとく可視感知を逃れています。"」

「・・・。」
「"空宙港基地は、もともと軍関係者の町にありますし、地上設備のセキュリティ度合は高くありません。ゲートキーパー基地ですから、主な注意は頭上のゲートに向けられています。"」

「手薄なわけね。そもそも本当にこの武装集団の侵入があったの?」
「"はい。電子記録上では。 実際の物証を捜査、精査する能力はこの基地には残念ながらありません。警察は必死になっていますが。"」
そう。
シェリルは昨夜の事情聴取を思い出す。
軍警察のそれは、たしかにまったく手慣れた雰囲気ではなかった。
聞き取りの相手がシェリルのようなビックネームであった事を差し引いてもだ。

となると侵入の画像記録は、本当なの? ダミーとかプログラムのフェイクじゃないの?

・・・でも昨日の夜は何者かがあたしを襲ってきた。
旧式のVFなんて物騒なものも引っ張り出して。
まったく実態がないわけではないか。

シェリルはソファから立ち上がると、シャツのボタンをはずさずに頭からそれを抜き取る。
裸身がシルエットを作る。

行かなきゃ。
「キット。空宙港に行くわ。アルト達はまだそこから離れてない。」
「"了解。エンジンスタートします。"」



つづく(2014.8.17)
スポンサーサイト



  1. 2014/08/17(日) 19:06:03|
  2. 作品(マクロス小説)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<夏のお買い物(お使いを依頼した分・日記) | ホーム | 番台チャンネル無料配信みた。(日記)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kikikix.blog.fc2.com/tb.php/857-a00690f3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kikikix

Author:kikikix
アルトとシェリルでSF風ショートショートがメインです。
ちょこっとフイギュアとかに逃げる時があります。
SSは「~年表」が作品リストになってます。
フィギュアは?まあこういうのもフイギュアって言ってOK?

カテゴリ

未分類 (16)
日々 (1022)
アルシェリ年表(小説SSリスト) (5)
作品(マクロス小説) (121)
拍手返事 (33)
菓子箱バルキリー (22)
シェリルふいぎゅあとか立体系 (376)
いただきもの (14)
リンクフリーです!リンク集 (3)
お絵かき (21)
3周年! 薄い本大作戦 (72)
4周年! 紙人形と薄い本作戦 (51)
女子はいつ腐るか? (16)
けいおん!(りある (3)

最新記事

月別アーカイブ

くんたっしゅ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR