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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

ちゃんと『作品』でアップ、衝突銀河の麓にて

えっと、下書きからアップグレードしてます。
とりあえずここからちゃんと話を続けよう! ・・・って実はこの後の話が進んでいませんけど。
せっかく「南の無人島」的な舞台を生かす技量がないので・・・悩んでるんですね。

すんません、今回はこそっと。
この前下書きとかいってうpしたのと基本的に同じデス・・・。
ハズカシー・・・

衝突銀河の麓にて


小さい頭痛がする。
「っ・・・。」
ゆっくりと目を開けてみた。
海辺だ。
砂浜に横たわっている。
どこだろう?
そよぐ風は暖かく、潮の香りは優しい。


ぱちぱちと小さくはぜる焚き火が少し離れて燃えている。
かなたに夕日、それとも朝焼け? 陽が低く辺りを照らす。
「(・・・ここ、どこ?)」
サラサラとした砂が気持ちいい。
でも思い出せない。
自分の名前ですら怪しかった。
あたしは・・・、シェリル。
そう、シェリル・ノームよ。

「(でも・・・ここは、どこ?)」もう一度自問すると、手元に薄いブランケットがあるのに気がつく。少したぐり寄せる。
とっ、シェリルは焚き火のそばにもう一人、誰かが座っている事に気が付く。
「(えっ?)」
火が小さく揺れる。


シェリルに背を向けて座っている人。海を見ているのか?

「(男?)」
肩から髪が広がっている。
流れる髪は女性的ですらあるが、広い肩幅と、シャツは男性のものだった。
しばし自分の置かれた状況が理解出来ない。
「(誰?)」
慌てて自分の体を探る。
「(何か変な事されてない?)」
大丈夫、違和感などはない。怪我も無い。

「(でも・・・。)」
逃げた方がいいの?
いや、この状況ではどこが安全なんだか判断がつかない。
闇雲に逃げ回るのは体力的に不利だろう。


それに・・・なにかしようと思えば、とっくなのかも知れない。
そう判断して、シェリルはその男性に声を掛けようと決める。
もしかしたら質の悪いドッキリとか、何かの仕掛けとか、イベントなのかも知れない。
「(まったく、そうだとしたら許せないわ、あのマネ・・・。)」
って、あれ?今は誰が私のマネージャーなんだっけ?

逡巡するシェリルの気配に気が付いたのか、男性がふっと振り返る。
同時に海の向こうで雲に沈んでいく夕日が、一瞬、輝きをました。

男性が微笑んだ。
「ああ、気がついたのか?」
白い歯がこぼれる。
背後からさす夕日がその茶色の瞳と白い鼻筋を浮きたたせる。
右耳のイヤリングが揺れた。


「なっ・・・!」
だが、つぎの言葉が出て来る前に飛び起きたシェリルの手が拳となって飛ぶ。
「こっ、この、ドロボー!あたしのイヤリングじゃないの!」

「うわっ!ちょ、ちょっと待て!」
慌てて立ち上がった男性が叫ぶ。
さすがにこの距離では、シェリルの一撃がクリーンヒットとはいかない。
男性は上体を反らしてシェリルの繰り出すそのパンチを避けていた。 シェリルとの距離を取る。

驚いているけど、何か楽しげなその目をにらみながら、シェリルが続けた。
「返しなさいよ。それはあたしの大事な物なの。自分以外の誰かが持っているなんて、考えられないわ!」
「ああっ、これか?」
シェリルの視線の先がイヤリングであることに気付き、男性が自分の左耳に触れて確かめる。
それからシェリルの右耳を見て、やっと気が付いたという雰囲気で返す。
「あっ、同じか。」
えっと・・・、言葉を選んでから続ける。

「これ、最初から俺の耳にあったぜ。」

そう言って、耳に手をあてる男性の薬指には、シンプルな指輪が光っていた。
あら?この人結婚しているんだ。
そう思ってから、シェリルは自分の左手にも指輪があることに気が付く。

おそろい?


「あっ・・・」
男性も今気がついたといった雰囲気で自分の指とシェリルの手を見つめた。






「俺も記憶がない。」
早乙女アルトと名乗った男性は、シェリルの隣りに行儀よく距離を置いて座る。
SMSから新統合軍に出向しているパイロットだとも。
「ああ、SMSっていうのはだな・・・、」
「知ってる。」
「・・・そうか。」
白い砂浜だ。
緩い斜度が海に向って続く。
自然、二人は並んで座るかたちだ。

「あたしはシェリル。シェリル・ノームよ。」
「知っている。メディアで見た事がある。」
アルトが小さく応えた。
「それだけ?」
「それだけだ。」

なんだか不自然だわ。あたしの事を知っていて、それだけの反応なの?
「不自然に思い出せないんだ。」
アルトが口を切る。
「あたしも同じなんだけど、何だか大事な人の名前とか顔がすべて出て来ないの。」
「ああ、ぽっかりと4~5年の記憶が抜けてる気がする。というより自分と関係があった人間がさっぱり思い出せない。」


「なあ、シェリル。」
「呼び捨てにしないで。」
「ああっと、ではシェリルさん?」
「・・・違和感あるから、シェリルでいいわよ。」

苦笑にも似た小さなため息のあとに、アルトが続けた。
「なあ、俺ら、もしかしたら夫婦だったんじゃないか?」

何を!
シェリルはアルトをにらみ付ける。
「はっ! バカね。そんな大事な事忘れないわ!」
「でも、そろいのイヤリングに指輪だぜ?」



陽が落ちる。
遠い雲が残光を受けて輝く。
アルトは、集めた流木の一つを火にくべた。

太陽がゆっくりと沈む。
そして、ゆっくりと夜空がやって来たが、闇は、訪れはしなかった。

満天の星空・・・いや、その天空に現われた輝きが何であるのか、最初は理解できなかった。
全天の半分を覆う光の渦。渦巻くそれが二つ。
天空を覆う、垂直に干渉する二つの銀河系?
「これは、衝突銀河・・・。」
夜空を見上げて、アルトが口にする。
人が見る時間軸では、その光景は微動すらしない。
だが、想像を絶する質量の、なにかと、なにかが、ぶつかっている。
干渉しあうそのスケールを思うと、目眩がするくらい圧倒的だった。
吸い込まれるような景観にしばし言葉を失う。

「凄い・・・。」
シェリルが小さくつぶやく。
「ああ・・・。」
アルトの返事も言葉にはならない。

二人の姿が、光の渦に浮かび上がる。

この惑星では、輝く星々が圧倒して夜が来ない。

そして、ここは二人のいた銀河系ですらない。





「放浪惑星? いや放浪恒星系か?」
アルトが独り言のように呟く。


衝突銀河の麓にて










「起きたか?」
その声に飛び起きる。
「えっ?ああっ、そうね。大丈夫よ。」
気がつけば太陽が昇る。
降りかかる星々は恒星の影に隠れたのか。

シェリルの返事は少し慌てた感じを残す。
何だろう、目覚める前に、少し幸せな夢を見ていた気がするけど、思い出せない。
そう言えば思い出せない事だらけなんだっけ・・・。

「あんたは休めているの?」
シェリルが聞く。
さわやかに尋ねる気はしない。少し不機嫌に聞こえてもしょうがないとも思う。
「ああ、2、3時間はちゃんと寝ているし、見張りの間も体は使って無いからな。」
「そう・・・。」

昨夜は少しだけ、お互いの話をした。本当に自分達の記憶が無い事を確認しあった。
世の中で起きた事件、ニュースなどは覚えている。
だが、個人的な関係。
人の顔だとか名前、感情が5年から6年分くらい?丸ごと抜け落ちているのだ。

気持ち悪いくらい思い出せない。
まるでマスキングされたみたいに。
実際、シェリルはままならない自分の記憶に少し怒りすら感じていた。

そんな状態で結論など導けるわけもなく、二人は、交代で休む事にしたのだ。
星空が眩しいくらいであり、夜空は暗闇ではなかったから、火は最小限に抑えた。

簡易レーダーだが、半径100メートル内に移動体があれば反応する。
そう言って、腕時計みたいな装備をさししめすと、彼はさっさと横になってしまった。
「ちょっと!」
抗議の声をあげたシェリルに、「2時間でいったん交代する。」と言い放つと、ごろんと寝返ってしまう。


「ふうっ・・・」
ため息をついてシェリルは再び夜空を見上げた。
本当に降るような星々。
微動すらしないその渦巻は、けれども数億年の単位ではダイナミックにふるまっているのだろう。
だがここでは、静かな波の音以外は静寂が支配している。



小さく自分の歌を口ずさんでみる。

スローバラードのいくつかの歌詞は、この星空にふさわしい。
ふと見れば、アルトはふたたび寝返ったのか、こちらに顔を見せて寝ている。

きれいな顔だ・・・シェリルに笑みが浮かぶ。
きっと悪い人じゃないのかも。
本当に、だんな様なのかも知れない。

「ううん、油断大敵だわ。まだなんかの罠かとか、考えなきゃ。」
そうつぶやくとシェリルは眩い星の輝きから、焚き火の炎に視線を移す。
人間にはこのくらいの明かりの方が安らぎだと思う。


そう、そうして昨日は交代で眠りについたのだ。



「よし、まずはバルキリーを探しに行こう。たぶんフライトレコーダーに記録があるはずだ。」
朝日を見やりながらアルトが言う。
遠くには、太陽の明かりに消えていく二つの銀河がまだ薄く見えていた。
「え?」
シェリルが聞き返す。

「俺らが着ているのはフライトスーツのアンダーウエアに作業ジャケットだ。VFに乗ってきたと考えるのが妥当じゃないか?」
アルトがシェリルを見つめかえす。



つづく?


といいなあ~。
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  1. 2014/02/19(水) 23:38:53|
  2. 作品(マクロス小説)
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