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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

ガイノス降下作戦<突撃篇>

ええと、うpしちゃいます。昨晩と午前中に書いた・・・。今読み返したらそんなに変じゃなかったから。
でもねえ・・・、アクションとか言いながら、実はアルト色仕掛け? ・・・いや、読んだら感想聞かせてえええ。
おっさん臭い会話は「現場」っぽさを出すためよん。って甘くないだけか・・・。


昨日の続きです。
前編はこれ→ガイノス降下作戦<前編>



決して小さくはないその翼を生やした人影が三つ、音も無く、舞い降りた。
アルトを先頭に、三体のEXギアは静かに夜明け前の地上で立ち上がる。
『バト』が落ち着いた音声で報告する。
「目標降下ポイントと40cmの誤差です。ご苦労様です。」
「はいはい。」飛行パックと、大気圏突入装備をそっと降ろしながらアルトがいいかげんに応じた。
「ブービートラップ的な接触地雷が幾つか埋設されています。音声とバイザーモニターの画面表示に従って進んで下さい。」
少しの間をおいて、『バト』が続ける。
「犯人グループの反応が無い事も、監視衛星から確認できました。」

暗視ゴーグルがなければ、自分の指も見えない闇と静けさだ。
アルトは全員の状況を確認すると、前進の合図を送る。
突入用の銃身の短い自動小銃を携えて、三人はゆっくりと進み始めた。

この時代に、対人地雷は戦略上有効な武器ではない。そもそも新統合軍の標準兵装にもない。
闇で流通するモノは、単純だが効果的な非合法品ばかりだ。 例えばテロリストが持つ様な。

先頭を進んでいたファが突然、ビクッとして立ち止まった。
「どうした?」アルトの問いに、 『バト』が応える。
「ファ曹長が接触地雷を踏みました。すみません、この1基だけ電装トラップがかかっていました。パターンを認識しましたので再発は防止できます。」
「ファは何で止まっている?」
『バト』の回答が続く。
「私が指示しました。接触地雷を踏み込んだ状態です。ファ曹長が動くと爆発します。強化EXギア装備ですので、曹長が負傷する可能性はありませんが、爆発音が発生します。」
「奇襲が失敗するか・・・。 ファ曹長?そのまま動くな。こちらの突入音が聞こえたら援護に来てくれ。」
ファ曹長が息を呑むのがわかる。
「曹長、何か問題は?」
「・・・いえ、了解です。」

「よし、ペータ! 前進するぞ。」
「了解」軍曹が応じた。

目標の山荘は低い丘の上だった。
開拓惑星であるガイノス4にも、こんな山荘が富裕層向けにちらほら見受けられる様になって来ている。
比較的治安の良いオリンピアーガイノス星系の住民には今日のニュースは衝撃だろうか?
「(何としても作戦を成功させたいな。)」

闇に紛れ、かつ光学迷彩をとった強化EXギアを認識するのは簡単ではない。
ステルス装備と高高度からの降下により、接近も気取られてはいない。
「(ここまでは順調か。)」

山荘を見渡してアルトが言った。
「『バト』、状況を報告してくれ。」

「山荘テラスに1名、見張りと思われますが、ロッキングチェアで寝ています。
二階に1、一階に1名。
もう一人、一階に1名いるはずです。旧ギャラクシー製の擬体です。寝室で人質を見張る存在が認識されています。人質と同室内かも知れません。 画像表示します。」
バイザーモニターに、室内の立体間取り図と、人間の位置関係が表示される。

「軍曹、ロッキングチェアのやつをまず押さえよう。こいつはショック弾でやる。あとは人質確保が優先だ。 実弾でかまわん。」
アルトが低い声で指示を続ける。
「テラスの奴を落としてから閃光弾とガスで突入する。」
「了解。」
ペータが自動小銃の狙撃姿勢を取る。
スコープを覗きながら呟く、「こういうのは曹長の方が得意なんだが・・・。」
パスっ!、消音された微かな音とともに、テラスの男性が崩れた!
すかさず、アルトが閃光ガス弾を2発打ち込む。
同時に、20m超の距離をEXギアのスラスターで飛越え、二人は窓から室内に飛び込んだ。
ガラス辺をまき散らしながら、散開したアルトとペータが正確に、『バト』の指示する方向に一連の正射をする。弾丸が一階と二階の犯人を撫でる。初速の遅いショック弾ではない、貫通力の高い実弾だ。
「(死ななければラッキーだ!)」

あと一人!
そのままためらう事無く、人質の部屋に突入する。
普通の人間なら、この数秒の事態の動きについてくる事は不可能だ。実質ここまでで犯人グループの反撃らしい反撃はない。
だが、寝室に踏み込んだペータの胸元に閃光が飛び込み、同時にすさまじい爆音が彼を押し倒した。廊下に吹き飛ばされ、隣室の壁とともに崩れ落ちる!

「簡易型無反動砲です。連射は出来ません。」
『バト』の声が冷静にアルトの耳に告げる。
軍曹の生存信号はグリーンだ。
ピンポイントバリアーとエネルギー装甲のおかげだろう。生きている。
寝室では、手持ち式の無反動砲を投げ捨てた犯人が、ベッドで丸くうつ伏せになった少女に銃を突き付けながら怒鳴った!
「クソっ!突撃班が二人かよ!ふざけんな! こいつの命がほしけりゃ銃を捨てろ!」
その場の空気が凍る。
ゆっくりと銃を置くアルト。
ガチャリと重い音が響いた。

「ヘルメットも取れ!」犯人の男が叫ぶ。
少女の頭を押さえたままだ。

アルトは、モニターを最後に一瞥(いちべつ)してから、さらにゆっくりとヘルメットを取る。
エクステンド(延長された操作腕)の指先を冷静に操作し、まがまがしい突入ヘルメットを脱ぐ。
アルトはしっかりと優しい声で、少女に言った。「お嬢ちゃん、大丈夫だから目を閉じてなさい。」
ヘルメットから長い黒髪のポニーテールがこぼれ、EXギアの肩を滑る。
そしてその瞬間、朝日がリビングから差し込み、東からの低い日差しがアルトのイヤリングを煌(きら)めかせた。
ヘルメットが小さくゴトンと落ちた。

「お、おんな?」
気を取られたのか、犯人が一瞬うろたえた。

ヒュッ!そして、銃弾が彼の頭を射ぬく。
少女と犯人の間を縫うように、下から上に突き上げた弾丸は、犯人を後ろに吹き飛ばした。同時にアルトが少女を確保する。

旧ギャラクシー擬態サイボーグの犯人を射ぬいたのは、ファ曹長の銃弾だった。
弾道操作弾、標的に向い自律的に弾道を変えてヒットする特殊弾。蜂のような軌道を取る事から「ハニービー」とも呼ばれるが、弾道の軌跡は人間が追える速度ではない。
プログラミングがサポートするとは言え、難しい銃撃操作である事に違いは無い。

「良くやった。助かったよ。」アルトが少女を抱きながら、リビングに入るラン・ファ曹長に声を掛けた。
「いえ、『バト』が助けてくれたからです。」ファが応え、「お疲れ様です。」『バト』が答える。
ファ曹長はそのまま吹飛ばされた軍曹に近づき、様子を確認する。どうやら重体では無さそうだ。
ヒラヒラと手を振り、無事をアピールしている。
助かった事を理解し、やっと泣き始めた少女を優しくあやすアルトは、低音ヘリコプターと、救出部隊の降下音を聞いた。

「さあ、家に帰ろう。」


「(あいつ、予定の便に乗っていない俺を心配しているだろうな。いや、謝らないといけないか・・・。)」
朝日に包まれながら、アルトは恋人の事を考えた。


FIN



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  1. 2012/03/24(土) 19:44:28|
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