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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

決戦前夜35 <対話>

うううむむむ、読み返すと落ちも山もない!
言い訳は明日。難しいな、ムズカシイナ・・・。あと一回で終わり予定!でも・・・書けてないよー!!





ズズンっ!
そう遠くない場所から、雷鳴の様な轟音。 続いて、かなりしっかりとした振動が伝わった。

この近くで誰かが戦争をやっている?
主戦場は、すでにバジュラの母星に移っているはずだが。
安全な場所を探すタイミングか。

とにかく身近な危険は避けるべきだ。

オズマは、シェリルを覆う薄膜の医療シェルターを切り裂く。
一瞬でクシャクシャに潰れたシートを剥ぐ。

平らとはいえ、瓦礫の上だ。だが、こんこんと眠るシェリルはよほど疲れている、あるいは治療の投薬が効いているのだろう、起きる気配はない。
「ぴいーいー・・・」傍らの、緑色の小さな縫いぐるみ生物が、不満げに声をあげた。



<対話?>


「”!! でペンしぶるフィールド全開!”」

トマホークのコックピットに脚をかけ、銃を構えたマリには、飛び込んで来たマイクロミサイルも(悪い冗談?3倍寸の缶ビールにしか見えない)、自らがグレイスに向けて放った弾丸の軌跡も、その一瞬のすべてを見る事ができた。気がした。

この場合の理想の順番はなんだろう?

まず、あたしの『銀の弾』の着弾ね。
これで敵のグレイスをおとなしくさせる。
次に『でぺんシブルフィールド』の展開。
これで迫るミサイルから、あたしとグレイスが守れる。
で、最後がマイクロミサイル着弾か。

でも・・・、何だか最悪。マイクロミサイルが一番早そうに見える。

「"いやああーー! 修正!!まっ・・・"」
頭の中で、グレイスの悲鳴。
「"ーーー!!"」

目の前で、自分のEXギアが持つアサルトライフルの銃身が熱でひしゃげる。
歪んだ笑み?を浮かべるグレイスの顔が浮かび上がり、そして、もう一人のあたしのグレイスが広げる緑色のフィールド光が拮抗する。
それらが混然と周囲にふりかかった。

着弾。爆発・・・。赤い発光、炎。そして黒い煙。
暗転する。

すさまじい爆音と、めちゃくちゃな暴力がマリの意識を奪った・・・・。







「・・・?」
這いずり出た何かが立ち上がる。
数歩、歩んでから片手で、いやもう片手しかないのか、何かを拾い上げる。銃?

遠くで、いや案外と近くかも・・・。 泣く女の声がする。
「"もうやめよう、もうやめようよ・・・グレイス、グレイス・・・"」 お願い、お願いって続く。

「(・・・グレイス?)」振り絞ってもほとんど声にならない。
答えは無い。
泣き続けている。
マリはまた気を失った。




「(・・・。)」あたしは、なんで歩いているの?
気が付くと、マリは、歩いていた。
いいや、違う・・・。 十字架を背負い歩かされている様な、一歩一歩をむりやり・・・。
勝手に動く重たげなEXギア装備が、軋んでいる。
意識とともに戻るズキズキ。 痛む全身がマリを襲う。
「っ・・・」
ガシャ、ガシャンと装着した外骨格スーツが勝手に歩く。
中の人間に意識が無くても動かせるの? なんて非人間的かしら。
頭痛が襲う。
しぶとく動いている自分の心臓はありがたいが、血流に合わせたこの痛みは勘弁してほしい・・・。右腕の痛みも普通じゃない。
暫くして、ようやっと、EXギアのバイザー越しに、先を見る気力が追い付く。
あたしは廃墟を一人で歩いている?

とっ、自らの、EXギアのエクステンド・アームが、つまり右手が勝手に持ち上がる。
格納されているマリの手も一緒に持ち上がる。
「っ!」激痛にうめく。
痛っ・・・ほ、骨が、骨が折れてやしない?
だが、EXギアはお構いなしに、そのエクステンド・アームに握らせた拳銃のようなモノを前方に構え、撃つ。
タタタン・・・。
三連射。

ああ、これはさっき、ミサイルの熱でひしゃげて炸裂した、あたしのアサルトライフルのコア部品だ。
レールガン(銃)機能だけ・・・射程距離は極端に短くなるはず。

軸線か、何か決定的な修正が必要かな。
数十メートル先の標的にもかすらないなんて。
いまので修正データをちゃんと取れたかな?
さっきのミサイル攻撃はかろうじて、でペンしぶるフィールドで囲った部分だけを、爆発からカバーできたのだろう。


漠然と思いながら、考え付く。
「標的?」
何を撃ってるの?

「グ、グレイス!」
からからの喉を絞り、マリが呼び掛ける。
今は泣きやんだ女の気配。 いつものパターン?

2秒ほどして、
ピッ、ピッ幾つかのビープ音がして、マリのヘルメットバイザーのモニター機能が生き返る。
「ピッ」、バイザーの内側に、目視に合わせて標的カーソルが動き、暗視補正が仕事をする・・・。
補正された先には、数十メートル先を歩く、あの半裸の、ボロボロのコートを着た、グレイスが見えた。
右腕は肩の先からすでに無いことが揺れるコートから分かる。
彼女も助かったんだ!

「グレイス・・・、 まだ、動けるんだ・・・。」
ピッ!
呟くマリに、何かのピープ音が返事をした。

前を歩く、いまやすすけたコートのみで、ほとんど全裸と言ってよいグレイスが立ち止まり、振り向く。
そして残った片手で、大きめのアサルトライフルを構えると、引き金を絞る。
パンッ!
軽い発射音がして、
彼女が撃った弾は正確に、マリの胸部装甲に当たる。
チュイーンっ・・・ 弾かれた弾がだが、甲高く鳴いた。

実包もエネルギー弾も少ないのだろう。
片腕のグレイスは再び、正面に向きなおると歩き始める。


マリのEXギアが、やはりトボトボと数メートルの後から追う。



「"もうやめましょう。お願いよ、グレイス・・・」
こっちのグレイスが、突然語りかけた、涙声だ。

沈黙のあとで、前世紀のラジオみたいに返事が聞こえる。
「やっぱりあなたなのね。グレイス・・・」
前を歩くグレイスからだ。

小さくため息が聞こえる・・・、どっちのグレイスから漏れたの?

じゃり、じゃり・・・、瓦礫の上を歩く音。

「邪魔しないで。私はシェリルを助けに行くのよ?」
「"殺すことが助ける事なの?"」
「殺す? 体を諦めるってだけだわ。」
「"そんなの救いじゃない。"」
「このままでもいずれ死ぬわ・・・。」

前を進むグレイス。
離れて付いてくアタシ・・・と、グレイス。


「はっ、私は強制モードの支配下なのよ。もうそれしかやれる事はないのよ。」
EXギアのヘルメット内に、前をゆくグレイスの声が小さく響く。
彼女の持つ、シェリルのマイクが声をひろっているのだろう。

「"うそよ。
気が付いているはず・・・、身体の損傷がここまで激しくなっていれば、あなたはすでに強制モードの支配下じゃないわ。"」
「・・・。」
「"とっくに戦力外として戦線を離れて、自己保全を図らなきゃいけないレベルだもの。"」
「だとしたら何?」
「"あなたと私の違いはね、オリジナルのグレイスさん"」
マリの中から会話を続ける、コピー・グレイス・・・。

「"私と違って、あなたは人間なのよ。だから必死に自分のした事の理由を探しているの。今までの行動が無駄じゃなかったって、それでもそう思いたいのよ。"」

「・・・くだらないわ。」

「"あたなと私が分裂したのが、二週間と少し前。私はあなたのコピーとして、あなたから命令を請けたのよ?シェリルを助けなさいって。"」
「・・・。」
「"忘れちゃった?"」
「・・・。」

「思い出して、グレイス・・・。」

返事は無い。

「"ねっ、聞いて。 全移植なんて乱暴な事をしなくても・・・"」



「えっ!」
マリが声をあげる、すこし先を歩くグレイスの姿が消えたのだ。
ザザッ、砂塵が舞い、滑り落ちる音がする。

走り寄るマリのEXギア。 かろうじて石畳だったとわかる歩道にクレパスの様な亀裂があった。
グレイスが滑落した?

ガシャンっ!
下方から乱暴に何かを蹴り上げる音・・・、とてもじゃないが人が出している音とは思えないくらい、いらただしげだ。

「"グレイス!"」グレイスが呼び掛けるが返事はない。
こんな小さな隙間。
EXギア装備では物理的に入れない。
かと言って生身のマリでは降りられない。
「"グレイス!大丈夫なの!"」


「ふざけないで!わたしは!わたしは!!」
彼女の怒声が下方の空間から響く。
それは、久しぶりに聞く人の声だった。

「"良かっ・・・"」
ブッ。
リンクが切られた? 下方のグレイスの気配も消える。

傍観していたマリにもはっきりと意識が戻る。 この下は、地下空間?地下鉄のチューブか、何かか。

「グレイス?」
マリが声を掛ける。
「"マリ・・・ごめんなさい。もう少し付き合ってくれる?"」
EXギアが立ち上がり、探るように周囲を見渡す。

「"セントラル・パーク。この下は地下街があったのね。 グレイスがシェリルの方向へ地下から移動しているわ。 追いかけてもいい?"」
「ここまで来てなに?さっさと行ってよ!」

翼は折れている。EXギアが走り始めた。





痛!
痛い痛い痛い!
「ちょっと!グレイス!! 走ると右腕と脇腹がすごい痛い!」
経口補水液とゼリーのようなモノを、差し出されたチューブからすすって、マリが叫ぶ。

シュっ!EXギアの腕にエアで小さいサポートクッションが差し込まれる。
それがさらに形を変えて添木のように固定をする。
上腕部に圧迫注射が押しつけられる。すべてEXギア装備の中でだ。
さすが軍用? 無痛の注射は鎮痛剤?
脇腹はなにもしてくれない・・・、が少し痛みが引いた気がする。

「"ごめん!今はこれくらいで我慢して。 医療ドローンの要請も出したから、後で治療時間を取るわ。"」
歩みの振動も少なくなった?
「"対振動キャンセルも働かしてるけど・・・、ホントごめん、我慢して。"」

黙らざるを得ない。
EXギアはそれでもかなりのスピードで走る。
煤けた体躯と折れた翼で。そう、もう走るしかないのだ。
「(あたしもこいつも、打たれ強さは相当ね。)」


っと、『プルループルルー』、呼び出し音のようなものが聞こえる。
「なんの音?」
「"電話よっ。"」
「誰にかけているの?」
「"もちろん私によ。話を聞いてもらわなきゃ。"」

戦場に場違いな電話の呼び出し音が続く。

「"マリ・・・、ここまで付き合ってくれてありがとう。あんなわたしだけど、嫌いにならないでね?"」
「かなり難しいけど、お友達くらいからならね。」
嫌みが通じたかどうか?グレイスが会話を続ける。
「"強制モードに関しては半分以上は本当なの。ただ自分みたいな上位管理者の設定はよくわからない・・・"」
沈黙。
ヘルメットバイザー内に赤い光点と、追う緑色の光点がマッピングされている。
赤はグレイス、緑はあたしとグレイスだ。
「"あなたが撃ったウィルス弾は、侵入を果たしている思うけど、どうやら劇的な変化には繋がってないわ。"」
「・・・。」

ピッ!
呼び出し音が切れる、カチャって作動音がする。
「ただ今留守にしております。お急ぎの方はピィーとなりましたらご伝言をどうぞ。」
「"ふっ、自分の携帯アドレスに伝言なんて・・・ねえ?"」
「グレイスは聞いてくれるの?」
「"確実に聞くわ。そう言う設定になっているもの。"」

「ピィー」
マリとグレイスの会話の後に、ビープ音がした。
EXギアはずっと走りっぱなしだ。

「"グレイス? こちらもグレイスです。さっきの話の続きを聞いてちょうだい。"」
ところどころの、荒れていない舗装面ではEXギアのローラーで駆動する。
グレイスが録音を続ける。
「"ランカちゃんが、シェリルの症状をSMSに持ち帰っているの。
地球政府にも、新統合軍本部にも、ランカとシェリルの症状が開示されたわ。
対症療法ぐらいしか無かったV型感染症も、ランカのケースが認識出来た事で完治の可能性が開けそうだって・・・。"」
マリはグレイスの言葉の続きを待つ。

「"前々から予想されていた通り、ナノレベル抗体置換を時間をかけてやればすくなくとも無害化はできるの。"」
バイザー内の赤い光点が止まった。方向を決めてまた動く。
「"お願いよ。シェリルを自由にしてあげて。あなただってそれを望んでいたはずよ。"」

「『ピーーッ 録音を終了します。再生されますか? 録音を終了される場合はこのまま電話をお切り下さい。』」
「・・・。」


ピッ。
バイザー画面の隅に、新しい光点が現われる。小さい明滅がしっかりとした点に変わる。
黄色い明るい光。
シェリルのいる場所だ・・・。



つづく!!
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  1. 2013/11/18(月) 21:11:23|
  2. 作品(マクロス小説)
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ちょこっとフイギュアとかに逃げる時があります。
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