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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

決戦前夜31 <惑星へ>

かーいーたーーー。今回はランカ回収と、舞台の説明です。
まあこれだけそろえば、心置きなく最終決戦・・・って、いやああああ、実はクライマックスよりエピローグの方が書きたいんだけど・・・。
クライマックス書かないとダメかしら? いやダメなのはわかっている。 がんばれ自分。



シェリルさん、シェリルさん・・・ 彼女の事ばかりが頭をよぎる。
ばかな人、ばかな人っ・・・ って考える。


<惑星へ>


気がつくとランカは、クォーター艦内の医務室にいた。
そして、誰も居なかったから・・・ランカはひとりで泣いていた。
悲しくてじゃない、悔しくてだ。
こんなことになったのが悔しかった。
ただ、ただ悔しかったのだ。

救助艇のキャビンに、あの人は居なかった。 助けてくれた兄も、闘った方の兄も。
アイくんもいない。

そして・・・、アルトくんとミシェルくんの会話も聞こえていた。
だから理解している。あの人は、私を押し出したのだ、私を助けるために。
自らと引換えに。

何て・・・、バカなことを。
私が、助けに行ったのに! 助けるのはあたしだったのに!
成功したって、ちょっと前まで思っていたのに。
病気だって、カナリアさんが、私の抗体で治療できるかもって、言ってたって。
一緒に治療方法を考えましょうって、言うはずだったのに。
そして、シェリルさんが嬉しそうに笑って応えてくれる。
そんな笑顔も想像してたのに。
もうちょっとだったのに・・・。
なのに・・・ 

「なんで?」


少し姿を見たルカくんも、もうパイロットスーツだった。
負傷者の彼でさえ、戦闘の準備をしている。
私も、歌わなければいけない。
もうそれしか、バジュラに真実を伝える方法は無いのだから。

「(ステージがあるなら、泣くのは御法度じゃなくて?)」

シェリルにそう言われそうな気がして、ランカは泣くのをやめた。
目が腫れちゃう・・・
私はプロなのだ、絶望の中でも歌えるプロなのだ。
シェリルさんがそうであったように。

まだ枕に押し付けた顔をあげる事は出来なかった。
だが、ランカはただ強くありたいと、そう思っていた。
あの人の様に、わたしも・・・と。




マクロス・クォーターがフォールドアウトを果たす。
実空間の存在味が増すと、ランカは静かに枕を放し、ベッドから足を下ろす。

そう、シェリルさん救出作戦のために持ち込んだ自分のコンテナには、まだ衣装が残っていたはずだ。
メイク道具も一そろいある。

出来る。

「わたしも闘います。」
しっかりとした言葉で言う。
「・・・シェリルさんと一緒に。 負けません。」






そして、先んじてフォールドアウトを果たして、アイランド・ワンが、通常空間へとその巨体をさらす。
星々の輝きを取戻し、巨大艦の行く先に、先行する艦隊と、手駒となったバジュラにより次々と新たな爆光が広がる。
ついにバジュラの母星へと、たどり着いたのだ。




グレイスは、盗んだフロンティアの機密アクセス群から、情報を得ることができる。
ブレラは、ギャラクシーの残存部隊とコンタクトを済ましている。
断片的なネット通信でしか垣間見えないが、バトルフロンティア艦内の移動シャフトに乗り込んだ様だ。

「ふんっ、瓶詰どもも一緒。」
歩みを進めながら、そうつぶやく。
あの連中があの形態で、幸せそうに見えた事は一度もない。
彼等自身でも終い方が分からないのだろう。サイバーグラント達、ただの暴走者。

わたしも暴走中か・・・。


シェリルの着地地点は特定出来ている。
医療ドローンの活動ログも見つけた。
彼女に当面の心配は無さそうだ。
だがV型感染症対応ドローン? バジュラの侵攻を受けているのだから、準備が良いのはけっこう。
だが、手際が良過ぎる・・・。
今のシェリルには救いの神だけど。

わたしは、「救いか、死か?」
そんな考え方になることが、自分が忌まわしい強制モードの支配下にあることを認識させる。
だがそれはしょうがない。

「・・・っ。」
言葉を吐き捨てても感情は変わらない。
そう、しょうがないのだ。



それから・・・しばらくの間、空が真っ赤に燃えた。
黙示録のこの世の終わりのように。



大気圏突入を果たしたアイランド・ワンに、惑星の大気が流れ込む。
薄い気泡膜でしかない緊急隔壁は、内側からの膨張には耐えられても、外からの大気の圧力には耐えられなかった。
あっさりと、移民船はバジュラ母星の大気を受け入れた。
吹き荒ぶ風が瓦礫をかき回す。 それでも、生き残った環境保全設備が大あわてで稼動し、嵐を帳消しにしようと躍起する。
そうして嵐がやっと納まると、アイランド・ワンには静寂が訪れた。
遠い雷鳴のような爆発音は、まだ続いている戦闘だ。


風から身を避けていたグレイスが起き上がる。
周囲には夜明けの薄い明かりが訪れはじめる。
バジュラ本星の太陽だろう、まだ夜明けという明るさではない。

そしてその薄明かりが、グレイスと距離をとった、周囲の幾つかの人影を浮かび上がらせる。
ざっと30数体・・・。
数メートルの距離をおいて、半円状に並ぶ。
抱えているのは自動小銃と、重火器だろうか。

EXギア兵か? いつの間に。
「(囲まれているわね・・・)」

行く手を阻む存在の出現が、彼女にとっては何故かうれしい。
そして、口元に笑みを浮かべた自分も不思議に思える。

シェリルが不時着した場所から、もうそんなに遠くではなかった。



つづく!
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  1. 2013/10/23(水) 23:43:27|
  2. 作品(マクロス小説)
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