とりあえずうp。
ちょっと最近ラノベっていうか、ノリノリのベストセラーみたいなライトノベル小説読んでて、「あっ、どんでん返し? この展開かあーー。すげー!」みたいな感想を持ってて。
ああ、読み物ってこうでないとなあ・・・なんて思って。
いえ、誰もそんなSSを、オイラに期待しているわけじゃないのは判ってます。
でもなんかね、こうやってシェリルもアルトも出さないでお話進めていると、これヤマは?とか、展開は?とか・・・・、お話練れて無いじゃん! って。
ううううんん、とりあえず今回もお時間あれば。
マリが運転するシェアカーは、ここフロンティアでは、一般的な移動手段だ。運転手付のタクシーももちろんあるが、深夜にさしかかるこの時間ならば、課金制シェアカーの方が勝手が効く。 乗り捨ても自由だし・・・。
車は一人と、もう一人の姿の見えないモノを乗せて、静かに走る。
<天使と会話>
「死刑囚をどうするなんて、できる気もしないけど・・・わかったわ。できることは協力してあげる。シェリルは私も嫌いじゃない。今のところ探偵ごっこも面白いしね。
あとそうね、こちらの条件ものんでもらうわ。」
マリが話を続ける。
「シェリルのために出来る事はしてあげる。 でもその次に救うのは、フロンティアよ、 ギャラクシーじゃなくて。ここは私の故郷なの。
それと、さっき言った私の専属マネージャーもやっぱりやってもらうわ。」
「"あら?それが一番安くないわよ?"」
グレイスの答えは即答だった。
「ふふっ、いつものあなたに戻ったみたいね。いいわ、でも、それは出世払いよ。」
マリも笑う。
「"やっと契約成立ね。よろしく、マリ・アントワープさん。"」
「はいはい。」
「”『はい』は2回いっちゃダメよ?”」
「はいはいはい。」
「”あらあらあら・・・。”」
ちょっと笑った。
「渋滞してる。 検問?・・・みたいね。」
幹線道路を塞ぐ様に止まっているその車輌は、だが見慣れた市警ではなかった。
小銃を下げたMP(ミリタリーポリス)だ。
音も無く回る、赤と青の、大きないかつい回転灯が周囲を照らす。
車を止めて、ウィンドウを降ろしたマリに、近づいてきたMPが、覗き込む様な姿勢で言った。
「こんばんわ。テロ容疑者が付近で目撃されています。できるだけ夜間の外出は控えて下さい。 身分証見せてもらえます? 外出の目的は?」
「えっと、友人に会いに行くとこです。」
IDを取り出して、MPに渡す。
「(“容疑者って?”)」
「容疑者って、どんな?」
「ロングコートの男性です。 気を付けて下さい。」
カードリーダーを走らせてから、MPはマリにIDを返す。
「はあい・・・。」
戦争みたい? いや、戦時扱いか・・・。 いかつい重装備のMPとの会話を終わらせて、前方をみやる・・・。
だが車列が動く気配は、無い。
開いたままの車の窓に向かい、MPがため息とともに言った。
「すみません。前がつっかえちゃってますね。」
回転灯が回っている。
その先の、信号のある交差点を抜けたところで、やっと車が動き出した。
黙っていたグレイスがしゃべり始める。
「"さってと、さすが警察車両。アクセスの優先度が違う。しかも案外とゆるいわ~。"
"どれどれ・・・。 あら?早乙女アルトが明日退院だわ。良かったわね、ランカちゃんへの手土産ができた。"」
「いまの軍警車両からハッキングしたの?どんなやり方なんだか。」
「"ハッキングだなんて。双方向通信だけど、基本的にはごくごく短い距離、例えばホットスポットと、10メートルくらいの距離内でしか、今の私とネットは繋がらないわ。"
"つまり、こちらから見えるって事は、相手からも覗き返す事が出来るってわけだから。
物理的な距離でその対策にしてるの。わたしがもしハッキングされそうになったら、走って逃げてね。"」
「分りやすくてスマートだわ。」マリが苦笑する。
「"ネットで得た情報は、私のフォルダに格納できるけど、私から外部へのアクセスはマリに頼むしか手がないの。"」
「なんだか偉そうにしてるけど、私がやらなきゃ何にも出来ないってことね?」
「"悲しくなるほどその通りよ。"」
「ふう~ん・・・。」
「"あっ、そこ右ね。"」
便利なカーナビだわ。
ハンドルを切りながらマリは心の中で呟いた。もちろん、声にしなければ、グレイスには聞こえない、はずっ・・・と、思う。
「ジン?」
「ええ、お兄ちゃんのですけど。
気分の悪いときとか、食欲の無い時とか、ちょこっと飲んだ方が良いって、お兄ちゃんがいってました。 あとだれかと二人っ切りで真面目なお話をする時とかも。」
窓際のテーブルセットに座るようにうながしてから、ランカがバーカウンター(キッチン)の奥からボトルとグラスを持ち出して来たのだ。
そう言いながら、ランカは小さいショットグラスにその透明の液体を注いだ。
グラスはお客さんにだけらしい。
ランカは未成年だから?
「はい。どうぞ。」
ストレートで?
ランカがもう一度言った。
「どうぞ。 えっと、じゃあ良い方のニュースって何ですか?」
「ああっ。 早乙女アルトが明日退院するわ。退院するとなったら情報がリークし始めた。さっきまでは患者リストに名前すらなかったのに。
自宅を出る前に調べられたの。」
調べた場所は嘘、情報は事実・・・。
ランカの顔に安堵が広がる。
「良かった。」
一呼吸おくランカ。
「悪い方はシェリルさんのニュース?」
「ええ。罪状は16くらいあって、証拠品の所持が一番問題視されてるみたい。何か知ってる?」
「逮捕される時に、シェリルさんのイヤリングに軍の人が触れてた・・・。 増幅させてどうとか。」
「"フォールド・クオーツ・・・、そんなものまで分かってるんだわ。"」
グレイスが呟く。
「フォールド・クオーツ・・・?」マリも口にする。
「え?」
ランカも聞きなおすが、そこは無視する。
さてさて、右と左で、別々の人の話を聞かなきゃって、なんだかそんな聖人がいたわね。
「ううん、何でもない。 よく分からないけど、そのイヤリングが証拠品なのね?」
「だと思います。」
「早乙女アルトの入院は、戦闘で負傷って、カルテに有ったわ。」
車のなかでグレイスが教えてくれた。
早乙女アルトがどんな人物で、シェリルにとってどんな憧れの人だったか・・・。
「ええ。アトランティックドームの翌日だったんです。彼が負傷したって、オズマお兄ちゃんから連絡があって。」
ランカの話を聞きながら、マリはテーブルのショットグラスに自然に伸ばしかけた手を、引っ込めた。
だって、ストレートのジンよ?
「その日は撮影のお仕事だったんで、直ぐに抜出せなくて。でもスタジオで移動の時に、シェリルさんに会ったんです。すれ違ったって言うのかな。
だからその時、とっさに、シェリルさんにも伝えました。アルトくんが怪我したって。
で・・・、びっくりした顔はされていたけど、そんなに慌てた様には見えなかったから・・・。」
「だから?」
「・・・だから、私が病院に行って、屋上でアルトくんを見つけた時、シェリルさんがアルトくんと一緒にいるのを見てびっくりしちゃったんです。『なんでこんなところに?』って。」
「"会いに行ったんだわ。あの子ったら・・・。"」
「ランカちゃんはショックだったんだ?好きな人に寄り添う人がいて。」
「ショックだなんて・・・! 好きな人っていうのも、何だか・・・。 ただびっくりしただけです!
だって、シェリルさんは大スターだし、アルトくんはパイロットだけど普通の高校生だし・・・。 一緒にいるのもSMSのお仕事でしょうがないからって・・・、二人とも・・・そう言ってたし。」
「ふーん、まあ二人に会って確かめてみたいところね。」
「・・・。」
「ランカちゃん自身の気持ちもわからない?みたいだし。」
「でもどうやって・・・。」
「早乙女アルトは明日の11時に病院に行けば会えるかも。シェリルは・・・。」
「"そうね・・・、アルカトラス刑務所への慰問の要請はだいぶ前からあるわ。さすがにシェリルの時は断わったけど、ランカちゃんの事務所にも同じオファーが来てる。潜入には持って来いね。"」
「・・・なるほど。あのね?ランカちゃん。グレイスから聞いてたんだけど、刑務所慰問のオファーが過去からあるみたいよ?
見学とか安全の確認とか、理由を付ければ、収監されているアルカトラスまでは行けるんじゃない? 彼女に会えるかどうかは交渉しだいだけど。」
「・・・・・・。」
ランカの表情はわかりやすい。顔をあげてマリを見つめるその瞳に火が灯るのが見える。
「"ふふっ、あなたエージェントとか、探偵にも向いてるわ。"」
グレイスの褒め言葉?
「ワトソンくんのおかげだよ。」 マリは、つい反応してしまう。
「えっ?」
ランカのびっくりした声に、マリはハッとなる。
やだ独り言系?
「あっ、いやいや、何でもないわ!」
卓上のショットグラスを取って、慌てて半分くらい空けた。
「(うえ~・・・、苦っ!)」
りりりりり。。。。。。
ドアベルが鳴る。
「はあ~い。」ランカが応えると、玄関ドアのカメラ画像が二人のテーブル脇にフォログラムで立ち上がる。
「”!!”」
「え?」
『すみません、軍警察です。こちらにマリ・アントワープさんがうかがっていませんか?下の駐車車輌でお伺いしたい事が。』
モニターには、自動小銃を肩に下げた軍警察隊員が一人と、その後ろに警戒した様子で小銃をたずさえた隊員二人が映った。
「え?」
続く。
このあとちょっと構想練り直します。
エンタメとして楽しめる内容を考えたい。オチもヤマもどんでん返しもないと、「楽しみにして!」ッてわけには行かないから・・・なんて考え始めた。
ねりネリ・・・。時間開けます。
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- 2013/05/21(火) 22:12:22|
- 作品(マクロス小説)
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