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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

決戦前夜3

またまた連載形式?
当面TOPに置きます。


決戦前夜1 <墜落>
決戦前夜2 <睡魔と魔女>
決戦前夜3 <魔女とお話> 

「”(状況がわからない・・・。 でもあせっちゃダメ。この子を動かすには動機が必要だわ。 ああっ、あの子はどうしているのかしら・・・。)”」


<魔女とお話>

振動音が聞こえる。ブーンって。
アラーム? いや携帯の着信音だ。
マリが薄目を開けると、ガンメタルカラーのおおサンショウお4Sの上でフォログラムが踊っていた。
このアイコンは同じ事務所のダンサー仲間、ヘレンだ。

ボウッとした頭でそんな事を考えている間に、そのままメッセージ保留へと回り、ヘレンの声が録音される。
『マリー? 起きてー! シェリルが逮捕だって!!テレビつけてよ! もうっ、明日のオーディションがどうなっちゃうか、何か情報持ってたら教えて~。 ああっ~、ショックだわ~。』


もう午後も遅い時間になるのか?
薄暗いままのこの部屋では分からない。
「モニターつけて。」 マリの音声コマンドに反応して、部屋のテレビ画面が瞬く。

放送は多分、相当繰り返されているニュースなのだろう。
昨夜、アイランド・ワンの何か所かで起きた、爆発や銃撃戦の同時テロ映像と、首謀グループの一員として、シェリル・ノームが逮捕されたと繰り返している。

「逮捕?」

『引き続きニュースをお伝えします。 昨日の夜半から、本日未明にかけて、複数の場所で同時テロ事件が発生し、テロ集団の攻撃による爆発や、銃撃戦が発生しました。
政府と、フロンティア新統合軍による鎮圧作戦はすでに完了しています。市民は平常通りの経済活動が可能と発表されています。
一部参考人や、被疑者が逃亡、あるいは行方不明となっています。十分に注意して欲しいとの市警察からの発表がありました。

引き続き現場の様子からお伝えします。
画面は、ギャラクシーから来艦している、シェリル・ノーム容疑者が逮捕された軍病院です。 
昨夕に軍治安部隊が突入。テロ行為を疑われたシェリル・ノーム容疑者が拘束されました。 シェリル・ノーム容疑者はテロ行為に関する重要な証拠品を所持していたとみられ、・・・・』」



しばらく画面を追う、一眠りしたおかげで今は少しスッキリしている。
だが、ベタつく自分の肌に、さすがに嫌気がさす。

まずはシャワーを浴びよう。
あの"女"も怒っていたし・・・、まだいるのかしら?
言葉にせずに自問する。
ハッキリと覚えているあれだけの会話が、夢だったとは思えない。
その"女"の気配は、今は、あるような、ないような? だ。

起き上がり、バスルームに向かう。
ニュース番組の音声だけを、浴室にも回すように、部屋に指示する。

24時間以上着っ放しだった服と、肌着を、乱暴にランドリーボックスに放り投げた。
わざと薄暗いままにしたバスルームで、鏡に写る自分の裸身を見ながら思う。
私の視覚情報って、この"女"にも見えてるのかしら?
そもそも、ほんとうにこの声の主は『女』なの?

浴室でセンサーが回栓を始める。
シャワーの温度は、彼女の好みの熱めに調整される。
昨夜のパーティーの臭気を落とす事が、まずは先決。

シャワーを浴びながら、テロ事件の内容を聞き続ける。
繰り返される同じ原稿、キャスターがおなじ内容を読み上げている。
政府施設7か所、軍施設3か所、宙港設備2か所、そしてシェリルが捕まった軍病院で、フロンティア軍による、ギャラクシーのテロ制圧があったらしい。

シェリルとテロ事件?どうにもそのイメージが重ならない。
ニュースでは彼女の来艦と、それ以来のバジュラ襲撃との関連を話題にしている。
何だか、全てがギャラクシーが悪い?とでも言いたいのかしら?


バスローブを羽織り、マリがワンルームの部屋に戻ると、画面上では、ちょうど逃亡者の顔写真が並び始めたところだった。
「特別指名犯・・・。」

シェリルのマネージャーの「グレイス・オコナー」は逃走した?
青みかかったロングヘアに、知的な細いメガネ。グリーンのスーツの女性だ。


「グレイス?居るんでしょ? 返事しなさい。」

「"・・・おはよう、もう夕方だけど。"」
「何時に起きたってオハヨーはオハヨーだわ。 それより、コレ?あなたよね?」
「"正確には違うわ。あっちはオリジナル。 私はバックアップ。” 
“そしてバックアップの私がこうやって『起動』しているってことは、オリジナルは殺されたか、丁寧に封じ込められたかのどちらかね。"」

「あなたはコピーなの?」
「"残念ながら。"」
「そうなんだ・・・。」
二人は?再び黙って、その報道番組を見つめた。



「グレイス・オコナーって名前なんだ。」
ベッドに座り込み、画面を見つめるマリが尋ねた。

「"そうね、だけどホントの名前は、グレイス・ゴドヌワよ。"」
「ゴドヌワ?」
「"ええ、パパのファミリーネーム。だから最初はゴドヌワだったの。"」
「どうして変ったの?両親が離婚したとか?」
「"私が11歳の時に事故で死んじゃった。 その2年後にママが再婚して、オコナーってね。"」
「そう。」
「"パパはとっても優しい人だったわ。 今考えるといつも私を楽しませようとしてたみたい。 パパが死んだ時も、『夜のお話の続きは、誰がしてくれるの!』って、怒ったのを覚えてる。 ・・・お話は忘れちゃったけど。」

マリは黙ったままだ。
「”・・・ごめんなさい、何だかペラペラしゃべり過ぎかしら?”」

報道番組では、シェリルの前のコンサートでの吐血についてのコメントが続く。
「別にいいわ。私もアイランド・ワンに出て来てから、あんまりゆっくり人の話を聞いたことなかったから・・・。 たまには人の話もね、聞くのよ。
で、そのシェリル・ノームのマネージャーさんが、なんで私の頭の中にいるのかしら?」
「"そうね、どこから話そう。 シェリルはね、とってもいい子なの。”」
「そう? 女王様みたいに見えるけど・・・。」

「"あの子は孤児だったのよ。"」
モニターにはずっとシェリルが映っている。逮捕後の写真と、華やかなステージでの動画とが交互に・・・。




続く!!
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  1. 2013/04/30(火) 21:16:45|
  2. 作品(マクロス小説)
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