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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

いよいよレース直前?

書いたのうp。早起きしてます!ほめて!!?
今回のは、幕間か?ちょっとお話のために新キャラがいますが、萌えるタイプではない・・・、というよりこの人回収できるか? まだ書けてない・・・、計画性ないなあ。
とりあえず、よろしければ、「エジプト旅行編 中篇その4」です。
中篇その4


雲一つ無い空が紫色に染まる。一方の彼方はいまだに夜の星が輝く。
朝日がようやっと地平線に顔を出す。砂漠の気温も徐々に上がり始めた。
夜が明ければ、予選の初戦が始まる。
ピラミッドとスフィンクスの元に、エントリーした選手が集まりつつある。

「ちょっと待て。 誰が、誰と、組んで選手登録したって?」
「あら?聞いて無かったの? だから、私とマリエルちゃん。」
「今朝出るときは、何も言わなかったくせに。 この数日の練習はこのためか・・・。」

耐久型レーシングスーツに身を包んだアルトが、同じくスーツに身を包んだシェリルを捕まえたのだ。
ご丁寧にマリエルとおそろいのスーツ姿のシェリルは、やはり特注の?そろいのライデングジャケットを羽織っている。 明け方の冷気を避けて、首元までファスナーを上げている姿は、やはり戦闘機乗りのそれにイメージが近い。

「あ~ら? 気が付いてたのね。さすがじゃない。」
シェリルが得意気に笑う。

「痣(あざ)まで作ってりゃあな。 『何かやってる』ぐらいは、わからない方がどうかしてる。」
「やだ!どこに痣なんてあるの?」
シェリルが、ライディングスーツの自分の体を慌ててチェックする。もちろんスーツの上からでは、痣なんて見つかりっこない。

「きゃっ!」シェリルが軽い悲鳴をあげる、アルトがお尻を叩いたのだ。
軽いタッチだったが、ちくんっとした痛みが走る。
「昨日から、お尻に青タンがある。ひどいものじゃないが、触れば痛いだろうな。」

ため息を交えてアルトが続ける。
「しっかし、まさかレースに参加するまでは予想出来なかった。」
「ふふ~ん、あなただけに楽しませたら、もったいないわ。」

「まあ、基本的にはお祭だからな。 だが、この前の輩(やから)とか、不穏な連中もいる。
だいたい、マリエルを部屋に連れ込んでいたのは、彼女の保護のためかと思っていたんだが。」
「あら?本当になんでも御見通しなのね。 連れ込んでいたなんて、誤解されそうだわ。それともヤキモチでも妬いてた?」シェリルが笑う。
「女の子相手にそれはないが・・・、何やってんのかな~くらいはな。」

「ふふっ、でもまずは、お互い予選通過よ。また後でねダーリン! 相棒と最初のトライアルなの。」
シェリルは自分のヘッドギアを持ち直すと、少しだけ離れた場所で待つマリエルの方へ向かう。

「怪我はするなよ!」その後ろ姿に、アルトが声をかける。
シェリルは振り向くと、ウィンクを寄越した。
出走はシェリルの方が早いのだ。

「ああ、それと。そのスーツで髪を下ろしていると、シェリル・ノームであることがよくわかってしまうが、大丈夫か?」
「一応隠しておく。それと、エントリーシートは、早乙女シェリルにしといたわ。ニューカイロも明日までだしね。どうせもう街には出ないから、ファンサービスよ!」

「ふんっ。 と・に・か・く! 怪我はするなよ。」
「分かってるわよ!あなたもね!」

朝日がシェリルのピンクの髪を、赤く燃え上がらせる。
予選が始まるのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


日がようやっとのぼり、砂漠の気温があっという間に上昇する。
大概の選手は、薄い放熱対応型の耐久レーシングスーツだ。熱交換機能が付帯してはいるが、外気が熱ければ、普通に暑い。
空調の効いたブリーフィングルームが心地よい。

ノックダウン式の二回の予選を勝ち残った32チームが、これから最終決戦を迎える。


「ちゃんと残ってやがる・・・。」
シェリルとマリエルのペアは、どちらかと言えば男性が多い全体のチーム構成のなかで、かなり目立っていた。
すらりとした背丈に、サングラスとスカーフのミステリアス(?)なシェリル。
そのレーシングスーツにかいま見えるプロポーションは、完璧だ。
「(当たり前だ、誰だと思っている?)」
比較すれば低い身長ながらも、彫りの深いオリエンタルな美少女、マリエル・・・。

今も、二人は男性選手に並んで、パイプ椅子に座っているが、まったく臆する気配はない。
マリエルの自信あり気な雰囲気も、シェリルから伝染したのだろう。
「(こういう雰囲気を作るのは、こいつの魔法だな。)」
だが、そうは言っても・・・、先日の事もあり、彼女を視界の隅に入れておかないと落ち着かない。
これはアルトに染付いたナイトの役割(くせ)か?

すこし離れた席に座り、ルークと二人で競技委員長が出て来るのを待つ。


大会委員長に続いて、初老の男性が入室する。 大会理事長だろう。
マリエルが驚いた顔をして、小声で何かをシェリルにささやく。
シェリルは口にひとさし指をあてて笑う。
「(なんだ?知り合いか?)」アルトは、再び注意を壇上に戻す。

委員長と、その大会理事長の老人が、簡単に挨拶をすると、ブリーフィングルームの画面にコース見取り図が表示され、競技方法の説明が始まる。
基本的には、予選前に受けた説明の繰り返しだ。

「競技用2人乗りカーペットを操り、4.5kmのコースに設置されたホログラム障害物(エアゲート)を規定の方法で通過します。
エアゲートは、ホームストレート上に『スタートゲート』と『ゴールゲート」、ここから『ヘアピンゲート』を通過し、『水平ゲート』、『S字ゲート』、『シケインゲート』および、最終コーナーの『スプーンゲート』が設定され、再びホームストレートへ。
それぞれの通過方法が決められています。
ゲートへの接触や、規定に満たない通過を行った場合は、タイム加算あるいは失格ペナルティとなりますので注意して下さい。 次に・・・、」

委員長の説明はすでに今日何度目かの内容だが、全員が真剣な面持ちでその説明を追う。

・・・全員?


・・・・・・・・・・・・・


ブリーフィングを終えて、選手達はおもいおもいの方法で休憩を取っている。
出走までに時間があることから、軽食を取る選手が多い。

「重力機雷?」
「しっ!そんな物騒なもんじゃない。ナノ分子マシーンの一種だ。効力も薄い。基本的に作用するのは浮遊中だけだし、性格から直ぐに自己崩壊しちまう。」
「どうするのさ?」
「カーペットの後方にまき散らすのさ。瞬間的な乱気流が起きる。」
「ええ~!トップにいないとダメじゃんか!」
「ばか。周回遅れでも十分だろ?」
「ああっ、そっか。」
「・・・。 カーペットの後に、分子ホルダーで織った中空糸を縫い込んである。これを操作して散布することが出来る。 一回こっきりだが、十分に撹乱できる量だ。」
「おお~頭良いなあ。 で、あいつを優勝させれば良いんだな?」
「しっ!それもむやみに口にするな!」
「ごめん。けどさ、万が一だけど俺らが優勝しても良いんだろ?」
「だから!周回遅れにならなきゃ作戦にならないし、勝っちゃったらダメだろ?」
「ああっ、そうだっけ?。」

「ったく、いいか? 俺らの仕事は、不人気のあの元新統合軍パイロットを優勝させりゃあいいの!一昨年の優勝者だけど、今や酒浸りだし、すでに人気もないからダークホースにぴったりなんだよ!」
「おっ? 言うなって言ったの誰だよ?」
「・・・、分かっているならいいよ。」
「でもさあ、俺らも予選も通ってるんだしもったいなくない?」
「勝っちゃったらダメなんだって・・・。」

「そういえば・・・、なあ、予選に、あのハイキック姉ちゃんが出てただろ?」
「ああ、いたいた。目立つからすぐに分かった。」
「ホントに、あのシェリル・ノームなのかな?」
「ううう、信じられないけどなー。こんな草大会にセカンドライダーで参加するかな?
ほれ、あっち。 いまだって何だか、例の彼氏らしき奴とベッタりだし、無防備すぎない?」
「だけど、あのスタイルと雰囲気はただものじゃない・・・よね? 男もなんだか只者じゃなさそうだし・・・。」
「あの髪・・・、きれいだしなあ。」


悪巧みのチームが見つめる先は、ホットドックの出店。 簡易テーブルで軽食をとる二人の姿があった。
辛いのか?しきりに目を白黒させる彼氏を笑う、スカーフの彼女。
明るい笑い声が漏れ聞こえる。
午前中の光が、彼女のスカーフからこぼれた淡いピンク色の髪を金色に染めていた。



しばらくすると、レーシングスーツを着た別の男女が彼らのもとに来る。
ルークと、マリエルの兄妹だ。
自分達のトレーを、シェリル達の座るテーブルに置く。


「じゃ、どちらのチームも予選通過出来たし、オメデトー!」
紙コップを掲げて、にこやかに笑いあう女性二人に対して、アルトはため息混じりだ。
ルークもどこか不機嫌?だった。

「さっきのは誰だ?」
「大会理事長? ほら同じホテルに泊まってるじゃない、あの人。
ふふ、よく見てるのね。さっきの私達の反応を見て言ってるんでしょ?
ヤキモチなんて妬かなくてもよくてよ。」
「そんな事はしない・・・。」
「あら、今朝から可愛くないわ。」

アルトが会話を続ける。
「お前が、こんなに飛べるとは思わなかったよ。」
「あたり前じゃない、私達を誰だと思ってるのかしら? ねえ?」
ホットドッグを頬張るマリエルにシェリルが聞く。
マリエルは、うんうんと言葉にせずにうなずく。ホットドッグで喋れないのだ。

「危ないから出るなって、俺もいったろ?」
ルークが、コーラをストローでかき混ぜながらマリエルを睨む。
マリエルは、あいかわらず頬張ったままだ。 「ふーっ!」と、軽いはな息とともに、兄をにらみかえした。

「女の子は、ある日突然、勝負ができるようになるの。 なめないほうがいいわよ?」
シェリルがルークに応えると、マリエルがやっと喋れるようになったのか?
「そうよ!」と、続けた。

アルトが言う。
「この前のギャング連中も参戦してる。すべてが安全とは言い切れないかな。」
「ヘッドギアとレーシングスーツでかなり安全性は高いのよ?
ピンポイントバリヤーの落下対策もされているし、カーペットレースで怪我人なんて何年もないわ。」
マリエルの口調は、シェリルに似てきたか?

「シェリルさんにも、マリエルにも、万が一が、あっちゃいけないって、言っているだけだ。」
「ふふふっ、ありがとう。気を付けますって!」
ルークの指摘にシェリルが返せば、今度は、ルークとアルトが、二人で見つめあう。
「どうだかなあ?」





ピート・ミッチェルは25歳のパイロットだ。いや、元パイロットだったと言うべきか?
同世代では珍しく、実戦経験もある。20歳で士官候補生になった年の事。
配属された重巡で三度もの強行フォールドを繰り返し、やっとたどり着いた惑星。
ハイパーフォールド航法がバジュラ戦役によって、人類にもたらされる以前の話だ。
増援として到着したが、すでに惑星上の戦闘は終わりかかっていた。
加えて、新統合軍とSMS連合艦隊は、幕引の集中砲火を指示する。軸線上の友軍に退避命令が下る。
雲蚊の様に散る味方艦艇や、バルキリー。
そして、あらわにになった敵母艦は、いや、強攻型のマクロスにも見えるその姿は、起立する怪物そのものだった。

そして、怪物の眼前で舞う形式不明の一機のバルキリー。
味方信号の発信はあるものの、所属艦隊などは不明・・・。

状況把握の一翼として、緊急発進したピートのワイバーン2(複座式戦術特殊偵察機)は、その飛行のすべてを記録した。
激しい空戦。
あり得ないスピードで動く怪物のマニュピュレーター、飛来するマイクロミサイル、それらをことごとく逃れる、その正体不明機。
そして・・・、機体を捨てて? 特攻?凄まじい砲火が過ぎる。
すべてが消失・・・。

パイロットとして実戦参加はこの時が初めてだ。


帰還して、デュークとコンビを組んだのは地球の駐留部隊に戻ってから。
その時のピートには、空を舞うことに、ひとつの手本があった。
無駄をはぶき、空気に従えば、翼がいかに動くかは、あの時の不明機が教えてくれた。
あんな空戦スタイルが在るのだと。

ピートは、訓練や模擬戦で頭角を出した。
だが、そんな訓練の一つで、相棒のデュークに重症を負わせてしまう。訓練中のVFで、コンプレッサーストールによる失速・・・、一命は取り留めたが、自身も含めて大きな傷を追う。

デュークの傷は、最新医療でも治療困難な、パイロットとして致命的な障害になった。
そして、励ましてくれたシャーロットともうまくいってない・・・。
一昨年のこの大会は、故郷に里帰りしていた時期だった。
長期休憩を利用して、相棒のデュークと出場した。
今年は・・・、あんな事故の後だ。休職中であり、訓練もこの半年はほうりっ放しだ。

地元のこの街で、最近はほぼ飲んだくれている。
そして、あのチンピラの小僧が話を持ち掛けて来た。
『ただ飛んでくれれば、優勝出来るようにする、出てくれないか?』

金がなかったし、俺に愛想を尽かしたシャーロットももういない。
何を気にする?

陽射しが高くなって来た。
ピラミッド再建30周年記念大会。
ぞくぞくと観客が集まってきている。
仮設されたグランドスタンドや、関連行事の数々が紹介されている。お祭りの始まりだ。

今日はハレの日だ。どんな事情があろうと、地球上では等しく、夜明けが来て人々を照らす。
明けぬ夜はない・・・か。

ピートは暗澹とした気持ちのまま、そのレース会場にいた。
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  1. 2012/12/17(月) 05:44:34|
  2. 作品(マクロス小説)
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アルトとシェリルでSF風ショートショートがメインです。
ちょこっとフイギュアとかに逃げる時があります。
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