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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

とりあえず新シリーズ?

と・・・、とにっっかくうp!
明日以降でもう一度修正させて。 てにおは修正!
今日はここまでで限界。
解説とか言い訳は明日。
すみませんんんn。。。。でもうpしたい要求にさからえず。えっと、おやすみです。
地球にて(エジプト旅行篇)


「うわああ! すっご~い!! 」
両手を広げて、その大気を胸いっぱいに吸い込む。
機体ゲートをくぐり、デッキに立ったシェリルの第一声だ。
「ねえ、ギャラクシーツアーの時も感じたんだけど、船団によって匂いって違うの。 入管ゲートをくぐるあたりから『むわっ』て、何か新しい匂いがするの! 
地球は、どのエアポートでも、違うみたい。」
伸ばされたアルトの手を軽く握り返して、地上に降り立ったシェリルが言う。
アルトの手と、そして彼女が伸ばした左手にも、おそろいのシンプルな指輪が光る。
サマードレスのシェリルの、はにかんだような笑顔も眩しかった。



この時代のニューカイロ郊外の商業空港は、航宙機と航空機が、互いに乗り入れる大規模施設だ。
そしてその、基本的な構造やスタイルは、20世紀に発達した国際空港の姿を踏襲している。

手続きを終え、やっと地上フロアに飛び出したシェリル。 
すでに晩秋ではあるが、アフリカ大陸の陽射は強い。空に手をかざしてから、再び深呼吸をする。
「香辛料?それとも砂漠? なんの匂いかなあ~、不思議だわ~。」

長期休暇中の二人は、昨日までのパリに続き、今日から数日間、ニューカイロに滞在する予定だ。
「ねっ、まだ早い時間だからピラミッド見たい! ピラミッド~。」
「はいはい。おおせのままに。」

旅行の手荷物は、すでにパリの滞在先から、こちらのオリンピア系列ホテルへ送られている。
シェリルの服装も、陽射しに負けない白のロングドレスに、薄いチュニック、ヒジャブ風(アラビア式ベール)に髪をまとめたスカーフ姿だ。
大きめのサングラスもここではむしろ自然だった。
「わかった、手続きが済んだら街に出ようか。」
アルトが応える。


旅行の計画を始めた時、アルトはシェリルに、「なぜエジプトに行くの?」と聞いた。
目的地候補は、パリと東京、南アリタリヤ諸島、マヤン島とエジプトである。
それぞれのルーツであったり、いずれも観光地だ。
でもエジプトは?

そもそも旅行の発端は、ランカに焚き付けられたというのが正しい。
アルトとシェリルが一緒に暮らすようになってから、既に数年が経つ。
そんなある日、業を煮やしたランカがシェリルに迫り、つられたその流れで、二人で(シェリルとランカで)、
オリンピア船団随一の高級ホテルのウェディングフロアを見てまわった。
(ツアーでオリンピア訪問中のランカの滞在先であり、かつては短期でシェリルも暮らしていた事がある、要人対応も可能な高級ホテルだ。)


女子二人、かしましく、ドレスや披露宴プランなどを見てまわるが、もちろん結婚式そのものは、クライアントやスポンサー、今の契約、日程など、とても決められることではない。

「そもそもシェリルさんと私で決めることじゃないし・・・。 一緒に暮らしてどれくらいになります?」とランカが聞く。
「4年くらい? 少なくとも3年以上?」シェリルの答えに、ランカが眉根を寄せて返す。
「戦役直後は、アルトくんの行方不明事件だったり、シェリルさんの健康問題があったりで、難しかったのはわかります。でもそんな言い訳、せいぜい2年目くらいまでじゃありません?」
「だって・・・、」言い訳を始めるシェリル。
会話に誘われて、シェリルがそのまま衝撃の告白をする。
「だいぶ前にアルトがプロポーズしてくれたけど・・・。 具体的にどうしたらいいか二人とも決められなくて。」
(参照:惑星ガイノスでのスカイフック貨物機遭難救助事件)

「なら!できることから始めましょう!!」
ランカの顔が大写しでシェリルに迫り、さし示したそのハネムーンカウンターの脇には、
「祝!再建30周年!!ピラミッド世界遺産の旅」と、大きな立て看板があったという。



「だって、古代遺跡ってあんまり宇宙にないし、ピラミッド観光の立て看板がとっても印象的だったのよ。」シェリルがアルトに言う。
「まあかまわないけど、今のピラミッドは再建されたやつだぜ?」
「また本物かどうかの話? 受け売りだけど、現代技術でも建築困難といわれたピラミッドでしょ? 再建を果たした叡智は本物だと思うけど。」


第一次星間大戦時に、衛星高度爆撃により、古代エジプト王朝遺跡群は壊滅的な打撃を受けた。
だが、地球の復興に伴い、近年になってその多くが再建されている。
今年は、もっとも大きなギザのピラミッド再建30年にあたり、幾つか記念イベントもある様だ。
ピラミッド観光そのものは、今世紀初頭と大きく変わってはいない。
再建されたとは言え、その姿は、20世紀に残された多くの記録にある姿だ。
真っ先に再建されたスフィンクスが、2500年前の、建設当時の姿に再現され、これに批判が集中したため、ピラミッドは記録に残る古い姿を再現した。
結果は、ピカピカのスフィンクスに古いピラミッドと、いささかちぐはぐになってしまったが、
30年もたてば、それは人々の記憶ではどうでもいいことの一つになっていた。



そうして、そんな偶然(?)が重なり、いま「銀河の妖精」その人と、愛する「騎士」が、ニューカイロに降り立っていた。


市内へ向うリムジンで得た、銘店情報(?)で、まずはランチを済ませる。
「(スパイスを効かせたグリル料理。トマトのスープが美味しかったかな。)」
その後、ピラミッド観光を思案しながら、二人は散策を兼ねて街を歩く。
ニューカイロは、古いカイロと同じく、ナイルのほとりに位置する都市だ。
治安もけして悪くはなく、観光が主要産業となる。
街頭のビジターセンターで、アルトが問い合わせをしている隙に、シェリルは並ぶ商店の店先をのぞく。
オリエンタルな雰囲気の土産物屋は、シェリルにしてみると珍しいものばかりだ。

そんな風に、隣接する数件の店を見ていると、通りの向こうから、14-15歳だろうか? 少女が小走りに通りを渡る。
こちらに渡ってきた少女を追って、やはり同年代の4-5人の少年グループが追い付く。
「(仲の良い友達って雰囲気じゃないわね。)」
シェリルがぼんやりと様子をみていると、少女はいらただしげに歩み去ろうとするが、少年らが許さない。

活気のある街の雰囲気に浮かれていたが、ここにはスラムもある。治安は悪くないが、観光客を巻込むトラブルも無いわけでは無い。
アルトのいるところまで戻ろうと考えたシェリルは、だがなんとなくその女の子が気になる。

「(それに、いまこの場所を去るのは、ちびっこギャング達を冗長させそうだし・・・。)」
商店のショーウィンドをのぞくフリをしながら、シェリルはそんな気持ちで無関係な位置を維持し、警戒しながら彼らの会話を聞く。

「夜店の売上を盗んだだろ!」
「盗みなんてしないわ!」
「見たって奴が居るんだ。」
「知らないったら知らないわよ!」
言い争うように少女が応える。

少年達が目配せをする。
「もういいさ、俺らもオヤジにショバ銭貰ってんだ。別の理由もあるしな。 誰でもいいから、犯人は捕まえないとなあ?」
グループのボス格らしい少年が言う。
それに応えて、チンピラの一人が、両手を合わせ、指をならす。
「違いねえ~。」
「なっ!」少女が息を飲んだのが分かる。


そして、妖精の口が開いた。
「・・・ろくな用心棒じゃないわね。」
思わず口をついた言葉に、シェリル自身も驚く。
だが止まらない。
「女の子一人を、寄ってたかって犯人扱い?」

少女とグループがビックリした顔で振り返える。通りはけっこうな人通りだが、少女とグループに関わろうとする人はいない。

「何だと?おばはん!」
さきほどのボス格の少年が、シェリルを睨みながら怒鳴った。

「!(おばはん? って、あらまあ・・・。 この私をおばさん?)」
シェリルにしてみれば、自分の言動に続くビックリだが、今は妙におかしい。
「(なんて事を言うの、このお子様は!)」

「ちょっと。 聞捨てならないわね。」
ゆっくりと向き直り、正面を向く。
サングラスとスカーフに隠れた、それでも凛とした涼しげな輪郭。口元に笑み?
その表情に、只者ならざる雰囲気が滲む。

ボス格の少年は、一瞬ひるんだが、それでも虚勢を崩さない。
「よ・・、余計な口出しをするなって言ってるだけだ!!」

「あら?自分が正しいならちゃんと説明なさい。」
腕を組んだ、シェリルが、その良く通る声を響かせる。
もちろん、多勢にひるむような声質ではない。

「うるせえって、言ってんだよ!!」
別の大柄な少年の一人が、シェリルの肩に乱暴に手をかけようとした時、シェリルがその半身をよける。
その様は、ふわりと?が正しい表現だろうか。
少年の手は、大げさに中を切った。

とっさに少女が、シェリルの傍らに立ち、少年達と対峙する姿勢をみせている。
「(ふふ、気の強い娘なんだわ!)」
シェリルが微笑みかけると、少女が緊張した面持ちを返す。


それは、少し離れた場所にいたアルトからも良く見えていた。
観光マップと、トラムチケットを手にして通りに出てみれば、向かいの商店のショーウィンド前で、シェリルが5人の若者に囲まれているのが見える。
「くそっ!」
アルトは街中で、一時でも彼女から目を離した自分を呪った。
そのストロベリーブロンドも、青い瞳も、スカーフとサングラスに、自然な雰囲気で隠れている事に、油断したのかもしれない。
あるいは、旅行もすでに2都市目であり、クイーンズ・ナイツとしての緊張感が緩んだか?
悪態をつきながら、それでもアルトは、シェリルのもとへ走り寄ろうとした。

だが、時を同じくして騒動に気がついた群集が、立ち止まり、不安げな顔で見守りはじめる。
それはアルトが駆け寄ろうとするよりも早く成長し、遠巻きの何十もの人垣にあっという間に脹らんでいた。

さきほどの大柄の少年が、つんのめるようにシェリルの傍らでたたらを踏んだ。
そのまま1、2歩進んだところで振り返り、シェリルに両手をあげて襲い掛かろうとする。
「このっ!ばばあ!」
再び、身をかわしたシェリル。だが、今度は低い姿勢をとり、少年の脚をはらう。
スパッ!!という音とともに、払われた少年の両足が宙に舞い、ドサッツ!!と大げさな転倒になる。
「あら、ごめんなさい。」シェリルがその言葉を終える前に、かまえていたもう一人の少年が、罵声をはきながら、シェリルに文字通り殴りかかる。
少女が小さく悲鳴を上げる「ひっ・・・。」

「野暮な子!それはもう犯罪よ!!」
その拳を振り上げたもう一人の少年に、低い位置からシェリルの脚が、勢いよく伸び、鮮やかな後ろ回し蹴りになる。
上体をそらした彼女の、一瞬有り得ない方向からの足技。 避けようとする少年に向かい、その脚がシェリルの伸び上がる体と共に、文字通りするすると伸びる。
カッ!スピードのある打撃音と共に、少年が横様にすっとんだ。
「か・・・カポエイラ?」

シェリルがきょとんとした顔をみせる 「あら?当たっちゃった。」

「ちょっ、お姉ちゃん逃げるわよ!」
呆然とする少年達より、いち早く行動を起こして、少女がシェリルの手を取る。
「そうね、さすがに不味いわね。 じゃ、『痛くない~』ってことで!」
おどけて言い捨てるシェリルを引っ張り、少女が叫ぶ。
「走るわよ!」
すでに走り始めたシェリルも応える。
「あら、任せて。人をまくのなら得意よ。」
「こっち!」
「わかった。」

一連の騒動を目の当たりにしたアルトが、声をかける暇もなく、またたく間にシェリルの影は人波みの向こうへ消える。
追いかけようにも、幾重もの人垣の渦中になり、前に進む事もままならない。


「シェリル!」
アルトが叫んだのも、彼女に聞こえたのかどうか判断がつかない。
「ったっく!!あのバカ! 勝手なことしやがって!!」
アルトは、立ち止まり、多機能端末を取り出して、シェリルの位置情報を検索し始める。
「(この路地を進めば?)どこに向かっている?」
気がつけば、立ち回りの少年達もすでに居なくなっている。
「まずい!(こんなところでケガなんかさせるわけにはいかないんだ。)」
付近を見回すアルト。だが追いかけるために進む方向が、この入り組んだ路地ではまったく見当がつかない。 土地勘がまったく働かないのだ。


「お兄さん、乗りなよ。俺が追いかけてやるよ。 あのおばさん・・・、じゃない、お姉さんの位置情報は取れるんだろ? 一緒にいるのは俺の妹なんだ。」

「え?」
振り向いたアルトの視界には一瞬、その少年が映らなかった。
そして、空中に浮く厚めの絨毯に乗った少年が、静かに、アルトの目の前に降り立った。
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  1. 2012/11/13(火) 00:12:02|
  2. 作品(マクロス小説)
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