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ううん酸

とりまシェリル・ノームのファンサイトです。うさんくさい?

エプロンと誕生日

とりあえず電車で書いて、しかもあんまり推敲してないけど・・・、たぶんこのネタだと今日上げることに意味がある?
30代アルシェリで、すっごい萌えないです。
あと、子供の名前は、某方のシリーズから頂いてます。双子設定でなくなってるけど。重ねて感謝。

エプロンと誕生日


「暑い!」フロンティアの夏はこんなに暑かったか・・・?
オリンピアからフロンティアに戻り、何度目の夏になるかを思い出そうとしながらアルトは呟いた。

午後の西日がキツい。大地も今日で一番熱を持つ時間なのだろう。
夕方になれば、もう少しは涼しくなるか? いや、涼しくなって欲しいな。
そんなことを考えながら、セダンをガレージに入れる。
アプローチから、自宅玄関までのほんの数メートルを歩くだけで、汗が噴出す。
自宅前の通りでは、街路樹のニセジャカランダの青い花が、燃え立つ様に咲き誇っている。
が、この炎天下では花を見る気分では無い。
「(花も律義だ・・・。)」それでも青い花々に視線を送り、アルトは、自宅のドアノブに手を掛ける。


シェリルの妊娠を機に、オリンピアから、惑星フロンティアに戻ったアルトは、今は軍籍から退いている。
それも何年も前の事だが、まあ子供の年齢と比較すれば、何年前だったかは、だいたい思い出せる。
予備役となって何度目かの夏だ。
そして毎年この時期には、三泊四日で退役軍人向けのキャンプ(訓練)が召集されていた。
パイロットとしての技能維持訓練と、最新機種対応へのスキルアップなどが、主なカリキュラムだ。
最終日の今日は、改正法規や何やらの座学が主だったが、シェリルに伝えてあるスケジュールよりもだいぶ早い時間で、帰宅する事が出来た。


「ただいま。」 玄関ホールを通り、奥のリビングへと向かう。
意外な事に?空調が切ってある。
「(涼しく無いじゃん!)」
リビングの窓は開け放れているが、カーテンは微動だにしない。
「(誰もいないのか?)」 アルトはため息と共に、一人ごちる。

「暑い・・・。」
シャワーでも浴びよう。軍基地の埃も流したい。
アルトは背中に張付くシャツを、引き剥がす様に乱暴に脱ぐと、上半身裸になった。
そのまま、リビングの続きのキッチンに進み、シンクのコックから、グラスに水を注いで飲み干す。

とっ、カウンターに目をやると。
普段は使わないジノリのティーセットがまとめて置いてある。
白磁に大きめの柄が印象的なセットだ。
紅茶をサーブしたあとのポッドと、ティーセットが5脚、シュガーポッドと、使った後?のレモンの小皿。
ケーキトレーも立派な絵皿だが・・・、だが載っているのはオレオか何か、市販のクッキーの残りが少し。

「(お客さんが来ていた?)」

あらためて室内を見渡す。
奥のバスルームの方に注意を向けた時、娘のメロディのかすかな笑い声を聞き取った。

「(ああっ、 フロか。)」
アルトは、ホールの吹抜けに出て、二階の長男の個室に目をやり、声を掛けた。
「ゴロー! 居るのか? ママ達はどうしている?」

最近の息子は、直ぐに自室にこもる、何をやって居るんだか・・・。
自室の扉をあけもしないで、くぐもった声が返って来た。
「ああ、お帰りー。 知らなーい。さっきまでメロディの友達が何人か遊びに来てたみたーい。」
それっきりまた家は静かになった。

まるで遠い場所から聞える様に、シャワールームから楽しげな会話が漏れるが、何を話しているのかは聞き取れない。
「(二人してシャワーか?)」
お友達を玄関まで送って、部屋の換気をして、さっぱり汗を流しにというところか。
「(さすがに一緒に入ろうとはもう言えないな。)」
アルトはキッチンに戻った。


ああ、そうか。それでお客様用ティーセットか。
きっとシェリルが張切って引っ張り出したのだろう。
普段はリビングの食器棚に飾ってあるモノだ。 結婚の時に、オズマ夫人から頂いたものでそれなりに高級品だ。

・・・さて、二人が出て来るまでどうするか? シャワーはお預けだ。

「(このティーセットは食洗機で、とはいかないな・・・。 手洗いするか?)」
いつもの場所に自分のエプロンを探すが、見当たらない。
「(ああ、あった。)」
冷蔵庫の脇のスッールに、無造作に掛けてある。

上半身裸のままでのエプロンも間抜けだが、一度脱いだシャツを着る気にはなれない。
シャワー前に新しいシャツを着るのもばからしい。
アルトは素肌にそのエプロンを掛けた。

薄い陶器を水洗いしていると、しばらくして、メロディが楽しげにキッチンに飛び込んで来た。

「あっ!パパ、お帰りー! わっ!パパ、裸エプロンじゃん!」

・・・夕方の涼しい風が二人の間を渡る。

「って? ば、バカ。 パパはちゃんとズボン履いてるだろ! 裸エプロンじゃない! 
ったく、小学生の使う言葉じゃないぞ?」
続けて現われたシェリルが、クスクスと笑っていた。


夕食後、ソファでくつろぐアルトに、子供達が近付いてくる。
妹に引っ張られて、兄はしぶしぶと言う感じだ。
「パパ! これ、誕生日プレゼント。お兄ちゃんと私が選んだの。」
メロディがにこやかに、リボンのかかった紙袋を両手で差し出す。
「別に・・・、俺は黒が良いんじゃないかなって言っただけだ。」
ゴローは憎まれ口をつぶやくと、「おめでと。」と言い捨てて、さっさと自室に行ってしまう。

メロディと目を合わせたアルトは大袈裟に肩をすくめて見せた。
「開けて。」
アルトが丁寧に紙袋を開けて、中身を広げる。
黒い新しいエプロンだ。

「おっ! ありがとう。前のがだいぶくたびれているからな。嬉しいよ!」
アルトが軽く、メロディを抱き寄せる。
ちょっと困った顔をした娘が、アルトを押しのけるようにして距離をとり、言った。

「そうそう、さっきの裸エプロンの話とか、ママにしちゃだめだよ。
ママすぐやってみたりするから。」
小さな声で耳打ちする娘の向うで、キッチンのシェリルが笑いを押さえているのが見えた。

「ああ、わかったよ。 プレゼントありがとう。」
アルトが優しく応えた。


FIN



追:ゴローとメロディの名前は、某方の小説シリーズから借用です。
しかもお許しいただいてないし、個人的なお付き合いもないのですが。
すみません、逆に言うとどうしても使いたかったので・・・。
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  1. 2012/07/27(金) 22:11:01|
  2. 作品(マクロス小説)
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